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本当に愛情がない親(愛情不足の親)を知っていますか?不登校の相談をする親は愛情がある!
1.本当の愛情不足を知らない人たち 2.親は生活のためにガンバって疲れている 3.自分の子育てを振り返る→愛情不足ではない 4.学校で問題を起こす不良のAさん 5.始業式から学校に来なかったAさん 6.育児放棄(ネグレクト)状態だったAさんの親 7.遅刻をしながらも登校を始めたAさん 8.「そういえば、3日前から家にはいないね。」と言うお母さん 9.外泊先からAさんを連れ戻し大説教! 10.「警察に捕まらないで!」「迷惑をかけないで!」(母) 11.「お母さんの作る目玉焼きが好きなんだ!」(Aさん) 12.「自分で作れるんだから、自分で作ればいい!」(母) 13.子どもを捨てて男と駆け落ちしたお母さん 14.母の代わりに4才の弟の面倒を見るCさん 15.兄の彼女が髪をとかしてもらっているのを見て・・・ 16.完璧な子育てではないけど愛情はある! 17.不登校の原因は親の愛情不足ではありません! 18.不登校の子どもへの「正しい対応」とは? 19.不登校が解決しない場合はどうする?
子どもが不登校になった後、本やネットで対応を調べたり、カウンセラーさんや相談員さんに相談をしたりすると、このように言われることがあります。
「不登校の原因はお母さんの愛情不足です。」
このように仰る方たちは、相談にいらっしゃったお母さん方の、どの部分から「愛情不足」と判断したのでしょう?
不登校解決相談所に相談に来て下さる親御さんのほとんどが、このように仰います。
「私が過保護にしすぎたんです・・・。」 「仕事が忙しくて子どもとの時間が少なくなっていました・・・。」 「疲れていて子どもの話を真剣に聞いていませんでした・・・。」 「子どもの気持ちを考えず、ゲームやスマホの時間を制限していました・・・。」 「子どもは『○○すべき』と思い込んでいました・・・。」など
これらの言葉を聞くと、私はいつもこのように思ってしまいます。
「私が過保護にしすぎたんです・・・。」
『過保護って愛情があるからじゃないの?』 『もちろん、やり過ぎは良くないけど・・・。』
「仕事が忙しくて子どもとの時間が少なくなっていました・・・。」
『家族の生活のために仕事をしているんでしょ?』 『もちろん、子どもとの時間は多い方がいいけど・・・。』
「疲れていて子どもの話を真剣に聞いていませんでした・・・。」
『疲れているときは、話を聞けないときもあるよね~。』 『もちろん、常に無視しているなら話は別だけど・・・。』
「子どもの気持ちを考えず、ゲームやスマホの時間を制限していました・・・。」
『ゲームやスマホのルールは必要だよ!』 『ゲーム依存の専門医もそう言っているよ!』
「子どもは『○○すべき』と思い込んでいました・・・。」
『子どもは学校に行くべきは間違っていないよ!』 『もちろん、いじめなどがあれば別だけど!』
そして、必ずこのようなことを考えてしまいます。
『愛情不足と言った人たちは、本当に愛情不足の親を知らないんだろうな~。』
私は20年間、中学校の教員として学校に勤務していました。
そして、たくさんの親御さんと話をしてきました。
親として「本当に素晴らしい!」「自分はそこまでできない!」と思った親御さんもいらっしゃいます。
ただ、逆に「この人は本当に親なの?」「愛情はないの?」と思う親御さんもいました。
これらの経験から、私は「愛情不足」について、このように考えています。
・子どもの不登校が心配=愛情がある=愛情不足ではない! ・不登校について調べる=愛情がある=愛情不足ではない! ・不登校の相談をする=愛情がある=愛情不足ではない! ・自分の子育てを振り返る=愛情がある=愛情不足ではない!
Aさんという子がいました。
いわゆる、不良やヤンキーと言われるお子さんです。
Aさんは小学校3年生のころから、学校に来たり、来なかったりを繰り返していました。
私がAさんを担任したのは、Aさんが中学2年生と3年生の時です。
当時、Aさんのお母さんは、Aさんの不登校に全く興味がありませんでした。
(不登校初期から、お母さんが不登校に興味を持っていなかったかは分かりません。)
Aさんがお母さんの言うことを聞かなかったことも、興味をなくした原因の1つかもしれません。
私が担任となった初日。
Aさんは学校に来ませんでした。
家に電話をしても出ません。
朝の会が終わった後、体育館で始業式が始まります。
私はクラスの事を主任にお願いして、Aさんの自宅に向かいました。
呼び出しチャイムを鳴らすと、Aさんが目をこすりながら出てきました。
「先生・・・。」 「何?」
(1年生の時に授業を教えていたので、何度か話をしたことがある関係です。)
私はAさんの着替えさせ、学校につれてきました。
始業式が終わり、学級活動が終わった後、私はAさんを学校に残しました。
お昼の時間だったので、私はコンビニに行き、自分の弁当とAさんの弁当を買ってきます。
お弁当を食べながら話を聞こうと思ったからです。
家に帰る時間が遅くなることを電話でお母さんに伝えると、お母さんはこう仰いました。
「先生、そんな細かいことは連絡しなくていいですよ。」
Aさんに家の様子を聞くと、このように教えてくれました。
・お父さんはトラックの運転手で、ほとんど家にいない。 ・お母さんは働いていないが、夜は家にいないことが多い。 (友だちとお酒を飲みに行ったり、遊んだりしているようです。) ・ご飯は自分で炊くか、食パンを食べるか、コンビニで買うかのどれか。 ・お小遣いは5000円もらっている。(食費込み。) ・お金がないときはご飯は食べない。 (後にパンなどを万引きをしていたことがわかります。) ・友だちの家に泊まりに行って、そこで食べさせてもらうことも多い。
Aさんの生活についても聞いてみました。
・週の半分は友だちの家に泊まったり、外で遊んでいることが多い。 ・家に帰ってくるのは深夜12時過ぎである。 ・昼過ぎまで寝て、その後、友だちから誘いがあれば遊びに行く。 ・母親は学校に行かないことに関しては何も言わない。 ・母親も夜、家にいないことが多いので、自分が外で遊んでいても何も言わない。 ・母親が起きるのも昼過ぎのことが多い。
私は「毎日、学校に来ること」と「休んだ日は可能な限り迎えに行くこと」をAさんに伝えました。
お弁当をおごってあげたのを恩に感じたのか、Aさんは遅刻しながらも学校にくるようになりました。
休んだ日に私がパンやおにぎりを持って家庭訪問したことにも恩を感じたようです。
週に1~2回の欠席や遅刻はあるものの、Aさんの登校は安定してきました。
ある3連休明けの月曜日の朝、Aさんが学校に来ません。
いつも通り、私は家に電話をします。
すると、いつもと違いお母さんが電話に出ました。
完全に寝起きの声です。
私がAさんが登校していない事を伝えると、お母さんはこう言いました。
「そういえば金曜日から見てないね。」 「3連休だから、友だちのところで遊んでるんじゃない?」 「家に帰ってきてないから、友だちのところにいるんじゃない?」
私がAさんの友だちについて聞くと、お母さんはこう言います。
「友だちの名前とか住所とか知ってるわけないでしょ!」 「もう中学生なんだから、親がそこまで知ってるのはおかしいでしょ!」 「Aの電話番号を教えるから先生が聞いて!」
私がAさんに電話をすると、Aさんは申し訳なさそうな声でこう言いました。
(本当は子どもと直接、コンタクトを取るのはダメなのですが)
「先生、ごめん。」 「今、○○(車で1時間ほどの場所)にいる。」 「友だちの車で○○にきて、そのまま、こっちの友だちの家に泊まっちゃった。」 (友だちは無免許だったことが後で分かります。)
自分の家に帰ってくる手段がないとのことで、私は空き時間に校長の許可をもらい、Aさんを迎えに行きました。
私は帰りの車の中で、Aさんに大説教をしました。
本気で怒られたり、心配されたことがなかったAさんは、私に何度も何度も謝りました。
その後、Aさんの遅刻や欠席はほとんどなくなりました。
4月に比べて、落ち着いてきたAさんでしたが、深夜徘徊で警察に補導されたことが2回ほどありました。
未成年が警察に補導をされたとき、本来は保護者が警察署に迎えに行きます。
しかし、何故か2回とも警察から私に連絡がありました。
なぜ、私に連絡がきたのかというと、このような理由があったからです。
・本人が、親ではなく、私に連絡をして欲しいと言った。 ・1回目:警察が保護者に連絡をしたが、連絡が取れなかった。 ・2回目:保護者に連絡が取れたが、酒を飲んでいたため車で警察署に行くことができなかった。
(親がタクシー代を払うお金がなかったというのもあるようです。)
もちろん、勤務時間外の、それも深夜0時に警察署に来ている、さらには家まで送り迎えをしている私に対して、お母さんからの謝罪の言葉はありません。
ただ、Aさんに対しては、このように言っていました。
「私に迷惑をかけないで!」 「警察に捕まらないようにしなさい!」
Aさんとの間には様々な事がありました。
ただ、2学期に入るとAさんの生活は落ち着いてきます。
クラスの友だちと仲良くなり、一緒に遊んだりするようになったことも、生活が落ち着いた要因だと思います。
年の離れた教員や外部の友だちと話すより、同年代の友だちと話すことの方が楽しいのは当然ですよね。
2学期の中頃に行われた教育相談で、私は現在の家の様子を聞いてみました。
お父さんやお母さんは、相変わらず同じような生活をしているようです。
ただ、Aさんは他校の友だちと、ほとんど遊ばなくなっていました。
Aさんの小さい頃の話を聞くと、Aさんが小さい頃からネグレクト(育児放棄)を受けていたことがわかりました。
しかし、Aさんは笑顔でこのように言いました。
「お母さんが作ってくる目玉焼きが好きなんだよね!」 「自分で作るのと何か違うんだよね!」 「ファミレスとかの目玉焼きとも違うんだよね!」 「また、食べたいな~!」
2学期の終わりに3者面談がありました。
私はAさんのガンバリを褒め、学校での活動をお母さんに報告します。
これに対して、お母さんの表情はほとんど変わりませんでした。
一通り話が終わったあと、私はAさんを先に帰らせ、お母さんと2人になりました。
そして、このようなお願いをしました。
「そうそう、少し前にAさんと話をしたら、Aさんはお母さんの目玉焼きが大好きと言っていました。」 「自分で作るのと味が違う。お母さんの作るほうがおいしいと言ってましたよ!」 「最近、Aさんは本当にガンバっています。」 「もし、よろしければ、今日の夕飯で目玉焼きを作ってあげてくれませんか?」 「Aさんのガンバリのご褒美として!」
すると、お母さんはこう仰いました。
「目玉焼きなんて誰が作っても一緒ですよ!」 「自分で作れるんだから、自分で作ればいいんですよ!」
Aさんのお母さん以外にも、「愛情不足」と感じたお母さんはいらっしゃいます。
Bさんのお母さんは、Bさんが小さい頃から育児放棄をしていたそうです。
ただ、Bさんの場合は、お父さんが仕事と家事の両方を行っていました。
ご近所とのトラブルも多かったようで、その都度、お父さんが謝りに行っていたという話も聞きました。
(そのせいでBさんは、学校でいじめられたこともあったそうです。)
そんなある日、Bさんのお父さんが仕事中に倒れ入院してしまいます。
お父さんが倒れてしまったことで、中学1年生のBさんは、学校に行きながら、洗濯や食事の準備を自分でするようになりました。
(中学2年で担任となった私は、Bさんの下着以外の服を学校で預かり、学校の洗濯機で服を毎日、洗っていました。)
Bさんが学校と家事でガンバっていたころ、お母さんは何をしていたのでしょうか?
Bさんのお父さんが入院した後、お母さんは家に帰ってこなくなったそうです。
そして、1ヶ月後に若い男と一緒に家を出て行ってしまったそうです。
成人式でAさんに話を聞くと、それ以来、お母さんから連絡は全く無いとのことでした。
(父親や母親、両親に捨てられた子どもは、Bさん以外にも何人か担任したことがあります。)
Cさんという女の子がいました。
Cさんのお母さんも半分育児放棄のお母さんでした。
(4才の子どをCさんに任せ、家を空けることが多くありました。)
Cさんは、3人兄弟の真ん中です。
3つ上にお兄さんがいて、8つ下に弟さんがいます。
あるとき、学校にきたCさんの表情や行動がおかしいと感じた私は、すぐにCさんを呼び話を聞きました。
「お兄ちゃんの彼女が3日前からうちに泊まっている!」
私は「Cさんが彼女に嫉妬している」のだと勝手に思いました。
しかし、嫉妬は嫉妬でも私の予想の嫉妬とは違っていたのです。
Cさんは、怒りながら、そして、泣きながら、何度もこう言っていました。
「お母さんが、Z(彼女の名前)の髪の毛をとかしていた!」
私が詳しく話を聞くと、Cさんはこう教えてくれました。
「お母さんに髪の毛をとかしてもらうのが好きだった。」 「でも、小学校5年生位から、とかしてくれなくなった。」
『10才なんだから大人でしょ!』 『髪くらい自分でやりなさい!』
「私がお願いしても、お母さんはとかしてくれなかった。」 「それなのに何でZの髪の毛をとかしてるの!」 「私の髪の毛はとかしてくれないのに!」
私はお母さんに電話をして、Cさんの気持ちを伝えます。
しかし、お母さんはこう仰いました。
「Zちゃんは反抗しないし、ワガママも言わない!」 「とっても、良い子なんですよ!」 「Cは自分の事ばっかりで、文句ばっかりなんですよ!」 「Zちゃんをかわいがるのは普通でしょ!」
Aさん、Bさん、Cさん以外にも、親の愛情不足と思われる子はいました。
そのお母さん方に、共通していることは「子どもに興味がない」「人の話を聞かない」「自分を持っている」だったように思います。
また、「自己責任」「自分で判断して決めなさい」「自分のことは自分でやりなさい」などの言葉をよく使っていたようにも思います。
私はAさんやBさん、Cさんの状態を見たり、話を聞いたりして、こう思ったことが何度もあります。
「心配してくれなくても親が好きなんだ。」
私は自分の子育てが完璧とは思っていません。(平均点くらいかなとは思っています。)
ただ、自分の子どもを愛していることはウソではありません。
だからこそ、子どものためにガンバっているお母さん方、悩んでいるお母さん方、子育てを反省しているお母さん方の「愛情が不足している」と思ったことはありません。
不登校の原因は愛情不足ではありません。
子育てが間違っていたからでもありません。
過保護、過干渉でもありません。
(過保護、過干渉の場合、不登校が長期化する確率が高くなります。)
もちろん、発達障害が不登校の原因でもありません。
(間違えた対応を行うと、不登校が長期化する確率が高くなります。)
親の思い込み(○○すべき)でもありませんし、ゲームやスマホの制限でもありません。
(ゲームやスマホを無制限にすると、不登校は長期化します。)
静岡県にある不登校解決相談所には、毎年1000件以上の相談が寄せられます。
相談を下さる親御さんのほとんどが「間違った対応」を行っています。
それは、不登校の原因が「親」や「子ども」にあると、思っているからです。
例えば、「クラスに居場所がない」という原因で不登校になった子がいます。
この子に対して行いたい対応や支援は下記のようになります。
・なるべく自分から声をかけられるように励ます。 ・声をかける練習(ロールプレイ)を行う。 ・自然と声がかけられるようにロールプレイを続ける。 ・友だちをつくる「きっかけ」や「活動」をクラスで行う。 ・「きっかけ」や「活動」のときは、練習を思い出し勇気を出すように伝える。 ・声かけが成功するように、周りの子への支援も行う。など
大切なのは、子どもが「困っていること」を乗り越えられるように、支援をしたり、対応をしたりすることです。
しかし、ほとんどの親御さんは、下記のような対応をとってしまいます。
・学校の話はしないようにする。 ・ムリをさせないで、家で好きなことをさせる。 ・心のエネルギーをためるために、ゲームやスマホを自由にさせる。 ・勉強や宿題を「やる」or「やらない」、学校に「行く」or「行かない」など、全てを子どもに決めさせる。 ・自分から学校に行くまで待つ。など
もちろん、これらの対応により不登校が解決している(改善している)のであれば問題はありませんが・・・・。
「不登校が解決しません。」 「どんどん悪化しています。」 「不登校になって1年(以上)が経ちました。」 「好きな事しかやらなくなりました。」 「ゲームやスマホで1日を過ごしています。」
もし、お子さんがこのような状態になってしまっているのであれば、対応を変えてみてはいかがでしょうか?
→まずは静岡にある不登校解決相談所の無料相談を! →全国から、相談の依頼をいただいております。
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、岩手県、福島県、宮城県、山梨県、愛知県、青森県、新潟県、石川県、福井県、富山県、長野県、岐阜県、大阪府、京都府、三重県、兵庫県、奈良県、島根県、岡山県、広島県、徳島県、高知県、愛媛県、佐賀県、宮崎県、大分県、熊本県、福岡県、沖縄県から不登校の相談をいただいております。
24/12/02
24/11/25
TOP
不登校の相談をしている=子どもを心配している=愛情がある!
1.本当の愛情不足を知らない人たち
2.親は生活のためにガンバって疲れている
3.自分の子育てを振り返る→愛情不足ではない
4.学校で問題を起こす不良のAさん
5.始業式から学校に来なかったAさん
6.育児放棄(ネグレクト)状態だったAさんの親
7.遅刻をしながらも登校を始めたAさん
8.「そういえば、3日前から家にはいないね。」と言うお母さん
9.外泊先からAさんを連れ戻し大説教!
10.「警察に捕まらないで!」「迷惑をかけないで!」(母)
11.「お母さんの作る目玉焼きが好きなんだ!」(Aさん)
12.「自分で作れるんだから、自分で作ればいい!」(母)
13.子どもを捨てて男と駆け落ちしたお母さん
14.母の代わりに4才の弟の面倒を見るCさん
15.兄の彼女が髪をとかしてもらっているのを見て・・・
16.完璧な子育てではないけど愛情はある!
17.不登校の原因は親の愛情不足ではありません!
18.不登校の子どもへの「正しい対応」とは?
19.不登校が解決しない場合はどうする?
1.本当の愛情不足を知らない人たち
子どもが不登校になった後、本やネットで対応を調べたり、カウンセラーさんや相談員さんに相談をしたりすると、このように言われることがあります。
「不登校の原因はお母さんの愛情不足です。」
このように仰る方たちは、相談にいらっしゃったお母さん方の、どの部分から「愛情不足」と判断したのでしょう?
不登校解決相談所に相談に来て下さる親御さんのほとんどが、このように仰います。
「私が過保護にしすぎたんです・・・。」
「仕事が忙しくて子どもとの時間が少なくなっていました・・・。」
「疲れていて子どもの話を真剣に聞いていませんでした・・・。」
「子どもの気持ちを考えず、ゲームやスマホの時間を制限していました・・・。」
「子どもは『○○すべき』と思い込んでいました・・・。」など
2.親は生活のためにガンバって疲れている
これらの言葉を聞くと、私はいつもこのように思ってしまいます。
「私が過保護にしすぎたんです・・・。」
『過保護って愛情があるからじゃないの?』
『もちろん、やり過ぎは良くないけど・・・。』
「仕事が忙しくて子どもとの時間が少なくなっていました・・・。」
『家族の生活のために仕事をしているんでしょ?』
『もちろん、子どもとの時間は多い方がいいけど・・・。』
「疲れていて子どもの話を真剣に聞いていませんでした・・・。」
『疲れているときは、話を聞けないときもあるよね~。』
『もちろん、常に無視しているなら話は別だけど・・・。』
「子どもの気持ちを考えず、ゲームやスマホの時間を制限していました・・・。」
『ゲームやスマホのルールは必要だよ!』
『ゲーム依存の専門医もそう言っているよ!』
「子どもは『○○すべき』と思い込んでいました・・・。」
『子どもは学校に行くべきは間違っていないよ!』
『もちろん、いじめなどがあれば別だけど!』
そして、必ずこのようなことを考えてしまいます。
『愛情不足と言った人たちは、本当に愛情不足の親を知らないんだろうな~。』
3.自分の子育てを振り返る→愛情不足ではない
私は20年間、中学校の教員として学校に勤務していました。
そして、たくさんの親御さんと話をしてきました。
親として「本当に素晴らしい!」「自分はそこまでできない!」と思った親御さんもいらっしゃいます。
ただ、逆に「この人は本当に親なの?」「愛情はないの?」と思う親御さんもいました。
これらの経験から、私は「愛情不足」について、このように考えています。
・子どもの不登校が心配=愛情がある=愛情不足ではない!
・不登校について調べる=愛情がある=愛情不足ではない!
・不登校の相談をする=愛情がある=愛情不足ではない!
・自分の子育てを振り返る=愛情がある=愛情不足ではない!
4.学校で問題を起こす不良のAさん
Aさんという子がいました。
いわゆる、不良やヤンキーと言われるお子さんです。
Aさんは小学校3年生のころから、学校に来たり、来なかったりを繰り返していました。
私がAさんを担任したのは、Aさんが中学2年生と3年生の時です。
当時、Aさんのお母さんは、Aさんの不登校に全く興味がありませんでした。
(不登校初期から、お母さんが不登校に興味を持っていなかったかは分かりません。)
Aさんがお母さんの言うことを聞かなかったことも、興味をなくした原因の1つかもしれません。
5.始業式から学校に来なかったAさん
私が担任となった初日。
Aさんは学校に来ませんでした。
家に電話をしても出ません。
朝の会が終わった後、体育館で始業式が始まります。
私はクラスの事を主任にお願いして、Aさんの自宅に向かいました。
呼び出しチャイムを鳴らすと、Aさんが目をこすりながら出てきました。
「先生・・・。」
「何?」
(1年生の時に授業を教えていたので、何度か話をしたことがある関係です。)
私はAさんの着替えさせ、学校につれてきました。
6.育児放棄(ネグレクト)状態だったAさんの親
始業式が終わり、学級活動が終わった後、私はAさんを学校に残しました。
お昼の時間だったので、私はコンビニに行き、自分の弁当とAさんの弁当を買ってきます。
お弁当を食べながら話を聞こうと思ったからです。
家に帰る時間が遅くなることを電話でお母さんに伝えると、お母さんはこう仰いました。
「先生、そんな細かいことは連絡しなくていいですよ。」
Aさんに家の様子を聞くと、このように教えてくれました。
・お父さんはトラックの運転手で、ほとんど家にいない。
・お母さんは働いていないが、夜は家にいないことが多い。
(友だちとお酒を飲みに行ったり、遊んだりしているようです。)
・ご飯は自分で炊くか、食パンを食べるか、コンビニで買うかのどれか。
・お小遣いは5000円もらっている。(食費込み。)
・お金がないときはご飯は食べない。
(後にパンなどを万引きをしていたことがわかります。)
・友だちの家に泊まりに行って、そこで食べさせてもらうことも多い。
7.遅刻をしながらも登校を始めたAさん
Aさんの生活についても聞いてみました。
・週の半分は友だちの家に泊まったり、外で遊んでいることが多い。
・家に帰ってくるのは深夜12時過ぎである。
・昼過ぎまで寝て、その後、友だちから誘いがあれば遊びに行く。
・母親は学校に行かないことに関しては何も言わない。
・母親も夜、家にいないことが多いので、自分が外で遊んでいても何も言わない。
・母親が起きるのも昼過ぎのことが多い。
私は「毎日、学校に来ること」と「休んだ日は可能な限り迎えに行くこと」をAさんに伝えました。
お弁当をおごってあげたのを恩に感じたのか、Aさんは遅刻しながらも学校にくるようになりました。
休んだ日に私がパンやおにぎりを持って家庭訪問したことにも恩を感じたようです。
8.「そういえば、3日前から家にはいないね。」と言うお母さん
週に1~2回の欠席や遅刻はあるものの、Aさんの登校は安定してきました。
ある3連休明けの月曜日の朝、Aさんが学校に来ません。
いつも通り、私は家に電話をします。
すると、いつもと違いお母さんが電話に出ました。
完全に寝起きの声です。
私がAさんが登校していない事を伝えると、お母さんはこう言いました。
「そういえば金曜日から見てないね。」
「3連休だから、友だちのところで遊んでるんじゃない?」
「家に帰ってきてないから、友だちのところにいるんじゃない?」
9.外泊先からAさんを連れ戻し大説教!
私がAさんの友だちについて聞くと、お母さんはこう言います。
「友だちの名前とか住所とか知ってるわけないでしょ!」
「もう中学生なんだから、親がそこまで知ってるのはおかしいでしょ!」
「Aの電話番号を教えるから先生が聞いて!」
私がAさんに電話をすると、Aさんは申し訳なさそうな声でこう言いました。
(本当は子どもと直接、コンタクトを取るのはダメなのですが)
「先生、ごめん。」
「今、○○(車で1時間ほどの場所)にいる。」
「友だちの車で○○にきて、そのまま、こっちの友だちの家に泊まっちゃった。」
(友だちは無免許だったことが後で分かります。)
自分の家に帰ってくる手段がないとのことで、私は空き時間に校長の許可をもらい、Aさんを迎えに行きました。
私は帰りの車の中で、Aさんに大説教をしました。
本気で怒られたり、心配されたことがなかったAさんは、私に何度も何度も謝りました。
その後、Aさんの遅刻や欠席はほとんどなくなりました。
10.「警察に捕まらないで!」「迷惑をかけないで!」(母)
4月に比べて、落ち着いてきたAさんでしたが、深夜徘徊で警察に補導されたことが2回ほどありました。
未成年が警察に補導をされたとき、本来は保護者が警察署に迎えに行きます。
しかし、何故か2回とも警察から私に連絡がありました。
なぜ、私に連絡がきたのかというと、このような理由があったからです。
・本人が、親ではなく、私に連絡をして欲しいと言った。
・1回目:警察が保護者に連絡をしたが、連絡が取れなかった。
・2回目:保護者に連絡が取れたが、酒を飲んでいたため車で警察署に行くことができなかった。
(親がタクシー代を払うお金がなかったというのもあるようです。)
もちろん、勤務時間外の、それも深夜0時に警察署に来ている、さらには家まで送り迎えをしている私に対して、お母さんからの謝罪の言葉はありません。
ただ、Aさんに対しては、このように言っていました。
「私に迷惑をかけないで!」
「警察に捕まらないようにしなさい!」
11.「お母さんの作る目玉焼きが好きなんだ!」(Aさん)
Aさんとの間には様々な事がありました。
ただ、2学期に入るとAさんの生活は落ち着いてきます。
クラスの友だちと仲良くなり、一緒に遊んだりするようになったことも、生活が落ち着いた要因だと思います。
年の離れた教員や外部の友だちと話すより、同年代の友だちと話すことの方が楽しいのは当然ですよね。
2学期の中頃に行われた教育相談で、私は現在の家の様子を聞いてみました。
お父さんやお母さんは、相変わらず同じような生活をしているようです。
ただ、Aさんは他校の友だちと、ほとんど遊ばなくなっていました。
Aさんの小さい頃の話を聞くと、Aさんが小さい頃からネグレクト(育児放棄)を受けていたことがわかりました。
しかし、Aさんは笑顔でこのように言いました。
「お母さんが作ってくる目玉焼きが好きなんだよね!」
「自分で作るのと何か違うんだよね!」
「ファミレスとかの目玉焼きとも違うんだよね!」
「また、食べたいな~!」
12.「自分で作れるんだから、自分で作ればいい!」(Aさん)
2学期の終わりに3者面談がありました。
私はAさんのガンバリを褒め、学校での活動をお母さんに報告します。
これに対して、お母さんの表情はほとんど変わりませんでした。
一通り話が終わったあと、私はAさんを先に帰らせ、お母さんと2人になりました。
そして、このようなお願いをしました。
「そうそう、少し前にAさんと話をしたら、Aさんはお母さんの目玉焼きが大好きと言っていました。」
「自分で作るのと味が違う。お母さんの作るほうがおいしいと言ってましたよ!」
「最近、Aさんは本当にガンバっています。」
「もし、よろしければ、今日の夕飯で目玉焼きを作ってあげてくれませんか?」
「Aさんのガンバリのご褒美として!」
すると、お母さんはこう仰いました。
「目玉焼きなんて誰が作っても一緒ですよ!」
「自分で作れるんだから、自分で作ればいいんですよ!」
13.子どもを捨てて男と駆け落ちしたお母さん
Aさんのお母さん以外にも、「愛情不足」と感じたお母さんはいらっしゃいます。
Bさんのお母さんは、Bさんが小さい頃から育児放棄をしていたそうです。
ただ、Bさんの場合は、お父さんが仕事と家事の両方を行っていました。
ご近所とのトラブルも多かったようで、その都度、お父さんが謝りに行っていたという話も聞きました。
(そのせいでBさんは、学校でいじめられたこともあったそうです。)
そんなある日、Bさんのお父さんが仕事中に倒れ入院してしまいます。
お父さんが倒れてしまったことで、中学1年生のBさんは、学校に行きながら、洗濯や食事の準備を自分でするようになりました。
(中学2年で担任となった私は、Bさんの下着以外の服を学校で預かり、学校の洗濯機で服を毎日、洗っていました。)
Bさんが学校と家事でガンバっていたころ、お母さんは何をしていたのでしょうか?
Bさんのお父さんが入院した後、お母さんは家に帰ってこなくなったそうです。
そして、1ヶ月後に若い男と一緒に家を出て行ってしまったそうです。
成人式でAさんに話を聞くと、それ以来、お母さんから連絡は全く無いとのことでした。
(父親や母親、両親に捨てられた子どもは、Bさん以外にも何人か担任したことがあります。)
14.母の代わりに4才の弟の面倒を見るCさん
Cさんという女の子がいました。
Cさんのお母さんも半分育児放棄のお母さんでした。
(4才の子どをCさんに任せ、家を空けることが多くありました。)
Cさんは、3人兄弟の真ん中です。
3つ上にお兄さんがいて、8つ下に弟さんがいます。
あるとき、学校にきたCさんの表情や行動がおかしいと感じた私は、すぐにCさんを呼び話を聞きました。
「お兄ちゃんの彼女が3日前からうちに泊まっている!」
私は「Cさんが彼女に嫉妬している」のだと勝手に思いました。
しかし、嫉妬は嫉妬でも私の予想の嫉妬とは違っていたのです。
15.兄の彼女が髪をとかしてもらっているのを見て・・・
Cさんは、怒りながら、そして、泣きながら、何度もこう言っていました。
「お母さんが、Z(彼女の名前)の髪の毛をとかしていた!」
私が詳しく話を聞くと、Cさんはこう教えてくれました。
「お母さんに髪の毛をとかしてもらうのが好きだった。」
「でも、小学校5年生位から、とかしてくれなくなった。」
『10才なんだから大人でしょ!』
『髪くらい自分でやりなさい!』
「私がお願いしても、お母さんはとかしてくれなかった。」
「それなのに何でZの髪の毛をとかしてるの!」
「私の髪の毛はとかしてくれないのに!」
私はお母さんに電話をして、Cさんの気持ちを伝えます。
しかし、お母さんはこう仰いました。
「Zちゃんは反抗しないし、ワガママも言わない!」
「とっても、良い子なんですよ!」
「Cは自分の事ばっかりで、文句ばっかりなんですよ!」
「Zちゃんをかわいがるのは普通でしょ!」
16.完璧な子育てではないけど愛情はある!
Aさん、Bさん、Cさん以外にも、親の愛情不足と思われる子はいました。
そのお母さん方に、共通していることは「子どもに興味がない」「人の話を聞かない」「自分を持っている」だったように思います。
また、「自己責任」「自分で判断して決めなさい」「自分のことは自分でやりなさい」などの言葉をよく使っていたようにも思います。
私はAさんやBさん、Cさんの状態を見たり、話を聞いたりして、こう思ったことが何度もあります。
「心配してくれなくても親が好きなんだ。」
私は自分の子育てが完璧とは思っていません。(平均点くらいかなとは思っています。)
ただ、自分の子どもを愛していることはウソではありません。
だからこそ、子どものためにガンバっているお母さん方、悩んでいるお母さん方、子育てを反省しているお母さん方の「愛情が不足している」と思ったことはありません。
17.不登校の原因は親の愛情不足ではありません!
不登校の原因は愛情不足ではありません。
子育てが間違っていたからでもありません。
過保護、過干渉でもありません。
(過保護、過干渉の場合、不登校が長期化する確率が高くなります。)
もちろん、発達障害が不登校の原因でもありません。
(間違えた対応を行うと、不登校が長期化する確率が高くなります。)
親の思い込み(○○すべき)でもありませんし、ゲームやスマホの制限でもありません。
(ゲームやスマホを無制限にすると、不登校は長期化します。)
18.不登校の子どもへの「正しい対応」とは?
静岡県にある不登校解決相談所には、毎年1000件以上の相談が寄せられます。
相談を下さる親御さんのほとんどが「間違った対応」を行っています。
それは、不登校の原因が「親」や「子ども」にあると、思っているからです。
例えば、「クラスに居場所がない」という原因で不登校になった子がいます。
この子に対して行いたい対応や支援は下記のようになります。
・なるべく自分から声をかけられるように励ます。
・声をかける練習(ロールプレイ)を行う。
・自然と声がかけられるようにロールプレイを続ける。
・友だちをつくる「きっかけ」や「活動」をクラスで行う。
・「きっかけ」や「活動」のときは、練習を思い出し勇気を出すように伝える。
・声かけが成功するように、周りの子への支援も行う。など
大切なのは、子どもが「困っていること」を乗り越えられるように、支援をしたり、対応をしたりすることです。
19.不登校が解決しない場合はどうする?
しかし、ほとんどの親御さんは、下記のような対応をとってしまいます。
・学校の話はしないようにする。
・ムリをさせないで、家で好きなことをさせる。
・心のエネルギーをためるために、ゲームやスマホを自由にさせる。
・勉強や宿題を「やる」or「やらない」、学校に「行く」or「行かない」など、全てを子どもに決めさせる。
・自分から学校に行くまで待つ。など
もちろん、これらの対応により不登校が解決している(改善している)のであれば問題はありませんが・・・・。
「不登校が解決しません。」
「どんどん悪化しています。」
「不登校になって1年(以上)が経ちました。」
「好きな事しかやらなくなりました。」
「ゲームやスマホで1日を過ごしています。」
もし、お子さんがこのような状態になってしまっているのであれば、対応を変えてみてはいかがでしょうか?
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