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理由や原因を聞きすぎたことで理由が変わった不登校の解決事例!聞きすぎると不登校が長期化!
1.学校に行きたくな理由が「面倒だから」だったら? 2.不登校の理由を聞きすぎて不登校が悪化 3.不登校の理由はお母さんの愛情不足? 4.離婚して実家に!大黒柱として働くお母さん 5.「仕事を休み子どもと接する時間を増やして」と言われる 6.カウンセリングを受ければ学校を休んでいいと提案 7.子どもとの時間を増やすように提案される 8.寂しさを紛らわせるために○○が欲しい 9.子どものために仕事を1ヶ月休んだお母さん 10.1ヶ月、一緒に過ごしても不登校が解決しない! 11.不登校の原因は同じクラスのAくんだった! 12.不登校の原因はクラスメイトの「殺すぞ!」 13.親が離婚して寂しかったのも本当だけど・・・ 14.クラスの人間関係と親子関係を修復 15.子どもには「ゴメンね」ではなく「ありがとう」 16.不登校期間10ヶ月の小学校3年生の相談 17.不登校の理由は「お母さん」と先生に言っていた! 18.スクールカウンセラーさんにも母親の不満を言う 19.母親が何も言わなくしたら・・・ 20.月に3~4回、1時間の保健室登校に・・・ 21.本当の不登校原因や不登校理由は何? 22.原因や理由を聞けば聞くほど新し理由が! 23.解決案示した時の子どもの行動で本当の理由か分かる 24.不登校解決相談所と会うことで子どもが変わった! 25.予想外の返答に戸惑い驚いた子ども 26.3月から登校開始!新学年は欠席0に! 27.不登校が長期化すると解決が困難に!
「学校に行きたくない!」 「今日は休みたい!」
突然、子どもがこう言ってきたら・・・・。
親として心配になる気持ちはわかります。
そして、理由や原因を知りたくなるのも当然です。
しかし、理由や原因を聞きすぎる対応は、良い対応とは言えません。
なぜなら、理由や原因を聞けば聞くほど、不登校の子どもは「小さなストレス」についても話だしてしまうからです。
子どもに聞いた不登校の理由が「いじめ」「無視」「カラカイ」であれば、親として子どもの気持ちに「寄り添う」ことでしょう。
ただ、不登校の理由が「学校は面倒!」「ゲームをしたい!」「宿題やりたくない!」だったら?
親がその気持ちに「寄り添って」いいのでしょうか?
不登校の理由や原因を聞きすぎたことで、不登校が悪化した事例を2つほど紹介したいと思います。
1つは東京都にお住まいの小学校5年生の事例で、もう1つは静岡県にお住まいの小学校3年生の事例です。
どちらの事例も、親御さんや学校の先生が理由や原因を聞きすぎたことで、不登校が悪化し長期化した事例です。
※ 静岡県にある不登校解決相談所が対応を行ったことで2人とも1ヶ月も経たずに不登校が解決しました。
※ どちらの事例も担任の先生が協力的であった事が早く解決した要因の1つです。
この事例は、学校の先生、スクールカウンセラーさん、親御さんが下記のような思い込みを持っていたため、不登校が長期化してしまったと考えられます。
「不登校を解決するためには理由や原因が必要!」
※ もちろん、理由や原因が分かれば不登校は早く解決します。
東京都にお住まいのお母さんが、相談を下さったのは11月の始めでした。
小学校5年生のお子さんが、不登校になって8ヶ月が経っているとのことです。
不登校になった理由を聞くと、お母さんはこう仰っていました。
「私の愛情不足が原因なんです!」 「仕事が忙しいことを理由に子どもとの時間を作らなかったのが悪かったんです!」
詳しく話をきいていくと、このご家庭の様子が分かってきました。
・小学校3年生の時に親が離婚をする。 ・母の実家に住むようになる。 ・祖父母、母、子どもの4人暮らし。 ・小学校5年生の5月から不登校になる。 ・スクールカウンセラーさんや市の相談員さんが子どもと話す。 ・子どもは母親との時間が少なく寂しいと言う。
お母さんは離婚をした後、子どもを連れて実家に戻りました。
ただ、実家くらしとは言え、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの年金だけでは生活できません。
幸い、お母さんは結婚した後も仕事は続けていたため、正社員としてそれなりの給料をもらっています。
実家くらしで、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんがいることもあり、お母さんは「一家の大黒柱」として、仕事に力をいれていたようです。
朝は子どもと一緒に家をでて、帰って来るのは夕飯の少し前です。
夕飯はお祖母ちゃんが作ってくれていたということでした。
離婚をして2年後の5月。
お子さんが小学校5年生の時、登校しぶりが始まります。
最初はあまり気にしていなかったようですが、お母さんが仕事に出かけた後、子どもが家に帰ってきてしまうことが何回かあったそうです。
心配になったお母さんは、お祖母ちゃんに学校に行ってもらうことにしました。
スクールカウンセラーさんと相談をしてもらうためです。
お祖母ちゃんはスクールカウンセラーさんに、家族の様子を伝えます。
すると、カウンセラーさんから、このような答えが返ってきます。
「不登校の原因は、お母さんの愛情不足の可能性が高いですね。」 「子どもと接する時間を増やしてあげることが大切ではないでしょうか?」 「ムリして学校に来させないほうがいいでしょう。」 「学校を休んで、お母さんと話をしたり、買い物に行ったり、遊びに行ったりするといいでしょう。」
家に帰ったお祖母ちゃんは、スクールカウンセラーさんの言葉を伝えます。
仕事に力を入れていたお母さんは「ドキッ」としたそうです。
離婚前に比べて、子どもと接する時間が減っていると感じていたからです。
その後、家族で話しをした結果、スクールカウンセラーさんにお子さんと話しをしていただくことにしました。
しかし、お子さんにこの提案をしたところ拒否されてしまいます。
どうしても専門家と話しをさせたかったお母さんは、お子さんに下記のような条件を提示します。
「カウンセリングまでは学校を休んでいいから。」 「カウンセリング当日はクラスには行かなくていいから。」 「カウンセリングだけ受けて帰ってくればいいから。」 「その後のカウンセリングは、受けても受けなくてもいいから。」
1ヶ月後。
このお子さんはカウンセリングだけのために学校に行きました。
そこで、スクールカウンセラーさんに、こう言ったそうです。
「お母さんが離婚して話す時間が短くなった。」 「一緒に遊んだり、買い物に行ったりも少なくなった。」 「お母さんは休みの日も疲れて眠っている。」 「遊ぼうと声をかける事ができない。」
この話しを聞いたスクールカウンセラーさんは、お母さんに連絡をします。
そこで、お子さんが「ツラい」思いをしていることを伝えます。
そして、子どもといる時間を増やすように提案したのです。
その後、お母さん、担任の先生、スクールカウンセラーさんの3人で今後の対応について話しをしました。
そこで決めたのが以下の内容です。
「週に1回、担任orスクールカウンセラーに会いにくる。」
学校に来ると、担任の先生やスクールカウンセラーさんは、このように聞きます。
「家での様子はどう?」 「お母さんと話す時間は増えた?」
子どもはこのように答えたそうです。
「家にいると1人ぼっちの気がする。」 「大好きな猫がいれば、寂しくないかも。」 「お母さんと一緒にゲームをしたい。」 「だから、もう一台、スイッチが欲しい。」 「大好きなアニメのフィギュアが欲しい。」 「それがあれば、気持ちが紛れる。」
この報告を受けたお母さんは、子どもの言うがまま欲しいものを買い与えたそうです。
お子さんが不登校になって5ヶ月が経ちました。
しかし、不登校の状態は一向に改善しません。
「猫を飼っても」「ゲームを買っても」「フィギュアを買っても」不登校は改善しません。
そこで、お母さんは思い切った決断をします。
会社にお願いをして「1ヶ月のまとまった休み」をもらうことにしたのです。
そして、その1ヶ月を「お子さんと一緒に過ごす1ヶ月」としました。
しかし、お母さんと一緒に1ヶ月過ごした後も、このお子さんが登校することはありませんでした。
※ 後に不登校解決相談所が当時の様子を聞くと、お母さんはこう仰っていました。
「最初の数日は甘えてきましたが、その後は普通の生活でした。」 「一緒にゲームをやろうと私が言っても、『1人がいい』と言ったりもしました。」
東京都にお住まいのお母さんが静岡県にある不登校解決相談所に相談を下さったのは、11月の上旬でした。
その時、お母さんはこう仰っていました。
「私の愛情不足が原因なんです!」 「仕事が忙しいことを理由に子どもとの時間を作らなかったのが悪かったんです!」 「だから、1ヶ月休みをとって一緒に過ごしました。」 「しかし、不登校は解決していません。」 「やはり、仕事をやめて一緒にいる時間を増やさないとダメでしょうか?」
少しでも早く不登校を解決するため、お母さんは訪問カウンセリングをご依頼下さいました。
私は事前にお子さんの様子を聞き、不登校の原因が「お母さんではない」という確信をもちました。
同時に、始めて会ったときに「どのような話しをする」のかも決めました。
始めてお伺いしたとき、子ども部屋の様子をみてとても驚きました。
TVやゲーム機(スイッチ2台、PS41台)だけでなく、アニメのフィギュア、猫のゲージ、猫と遊ぶ道具、マンガ、カードゲームなどがたくさんあったからです。
さらには、そのどれもが新品だったのです。
私は猫やゲーム、アニメの話しをした後、4月~5月のクラスの様子について話しを聞きました。
→「初めてのカウンセリングで趣味の話しだけで終わらないのはなぜ?」
すると「Aくん」の名前が何度か出てくることに気づきます。
それも、悪い話の時に必ず出てくるのです。
私は教員時代にAくんに似た子を思いだし、その子の様子や行った悪事について話します。
この話を聞いた、お子さんは私にこう言ってきました。
「分かる!」 「僕も注意をしたら、文句を言われ睨まれた!」
私はAくんの話しを詳しく聞いていきます。
すると、予想通り「不登校の原因」がAくんであることを話してくれました。
「Aくんとは始めて同じクラスになった。」 「良くも悪くも元気のいい子だった。」 「授業中にうるさくしたときは注意をしていた。」 「Aくんは注意をすると必ず睨んできた。」 「でも、僕は睨まれても気にせず注意をしていた。」
このお子さんは学級委員の経験者だったようです。
「休み時間、ベランダで手を洗っていた。」 「ベランダにいたのは僕だけだった。」 「するとAくんが来て、カギを閉めた。」 「僕はドアを叩いて開けてくれるように頼んだ。」 「Aくんは無視してきたが、別の子がカギを開けてくれた。」 「僕はAくんに文句を言った。」
ベランダに閉じ込められたことに対して怒るのは普通の事でしょう。
しかし、ここでAくんの反撃にあったようです。
「Aくんは僕の胸ぐらをつかんでこう言ってきました。」
『殺すぞ!』
「それから、僕はAくんの事が怖くなって注意ができなくなりました。」 「学校にも行きづらくなって・・・・。」
お母さんについても聞いてみました。
「お母さんとお父さんが離婚をしたのはショックでした。」 「この家に引っ越すのもイヤでした。」 「お母さんの仕事の時間は増えました。」 「夕飯もお祖母ちゃんが作るようになって。」 「正直、僕はお母さんの作ったご飯のが好きです。」 「お母さんと話す時間が短くなって寂しかったのは本当です。」 「土日もお母さんは疲れているので、あまり話さなくなりました。」
やはり、お母さんが忙しくて「寂しかった」と言うのはウソではなかったのです。
ただ、離婚したのは小学校3年生、不登校になったのは小学校5年生です。
不登校の原因のほとんどがクラスの人間関係です。
さらには、4月~5月に不登校になるお子さんの原因は「新しいクラスの人間関係」です。
実際、このお子さんの理由もそうでした。
私は「学校の人間関係」と「親子関係」を分けて考える提案をします。
お子さんに対しては、2つの支援を行いました。
1つ目は「学校の人間関係を修復し子どもの自信回復すること。」
2つ目は「お母さんの気持ちを伝え正しい親子関係を再構築すること。」
具体的には、下記のような支援を行いました。
「担任の先生にAくんとの事件についてお伝えし関係を修復してもらう。」 「悪いことを注意することは正しい行為であり、必要な行為であることを伝える。」 「ただし、危険を感じたり、ツラい思いするのであれば、この限りではない。」 「学校を休むときも他の子と同じ量の宿題を行うとともに授業の予習を行う。」
最初は私とお母さんで支援を行っていく予定でしたが、担任の先生が家庭訪問をして下さったことで、予定より早く人間関係や勉強についての自信を取り戻すことができました。
お母さんの仕事については、このような話しをしました。
「お母さんは家族のために仕事をしているんだよ!」 「決して君がキライで仕事をしているんじゃないよ!」 「会社を1ヶ月休むってすごい事だよ!」 「それは君のことを大切に思ってるからできたことだよ!」など
そして、最後にこのようにも伝えました。
「でもね、寂しいときは正直にお母さんに言うんだよ!」 「そうしたら、お母さんは必ず話しを聞いてくれるからね!」
同時にお母さんに対しても、2つの支援を行いました。
1つ目「学校に関する声かけと基本姿勢について。」
2つ目「仕事に関する声かけと基本姿勢について。」
「子どもが相談をしてきたら時間を作って聞いてあげて下さい。」 「学校に行きたくないと言ったときも『ムリして行かなくていいよ!』ではなく、乗り越える方法を一緒に考えて下さい。」 「先生に相談するのも有効です。」 「子どもの話をきき、早く動きだすことが大切です。」
仕事に関してはこのように伝えました。
「家族の為に仕事をしているので、やめる必要はありません。」 「ただ、子どもに対しては感謝の気持ちを伝えて下さい。」
『いつも寂しい思いをさせてゴメンね!』 『あなたが学校でガンバってくれて本当に嬉しいよ!』 『お母さんの事を心配してくれてありがとう。』 『あなたが良い子で助かるよ!』など
担任の先生の協力もあり、このお子さんは2週間で登校を始めます。
そしてAくんについて、このように言っていました。
「なんか僕がいない間に、おとなしくなっていた。」 「みんなの話しだと、授業中にうるさくして○○先生に怒鳴られたんだって。」
不登校の理由や原因を聞きすぎたことで、不登校が悪化したもう一つの事例を紹介します。
静岡県にお住まいのお母さんが、相談を下さったのは2月の前半でした。
不登校になって10ヶ月が経ってしまった小学校3年生の相談です。
最初の電話相談でお母さんは、こう仰っていました。
「クラスの友達のことで不登校になりました。」 「新しいクラスで友達が出来なかったようです。」 「先生が怖いとも言っていました。」 「忘れ物をすると怒られるからイヤだと言っていました。」 「子どもが怒られないように、持ち物チェックをしていたのですが・・・。」
この話しを聞いた私は「不登校あるある」だなと思いました。
しかし、その後のお母さんの話しで、このお子さんの不登校が少しこじれていることがわかります。
「学校の先生からは不登校の原因は母親であると言われました。」 「担任の先生、保健の先生、スクールカウンセラーさんが、何度も子どもと話した結果だそうです。」
『お母さんが細かいことをうるさく言う。』 『テレビを見ていると、勉強しろ、勉強しろと何度も言う。』 『家にいると、ゆっくりすることができない。』 『たまにはゲームをしたり、TVを見たりしてノンビリしたい。』
このお子さんは、学校の先生たちには「不登校はお母さんのせい」といい、家では「友達や先生のせい」と言っていたのです。
私は、お母さんに下記のようなお願いをしました。
「お母さんの話しだけでなく、学校の先生にも話しをお伺いしたいです。」 「先生と私が話しを出来るように学校にお願いしていただけませんか。」
お母さんが校長先生にお願いをしたところ、すぐに先生との面談許可を下さいました。
(外部のカウンセラーが入ってくることを嫌う学校は多いです。)
私は学校に行くと、担任の先生と保健の先生が待っていて下さいました。
たまたま、保健の先生が知っている先生と私が同じ学校に勤務していたことが分かり、情報交換はスムーズに進みました。
そのとき、お聞きした学校の対応やお子さんの状態は下記のようなものでした。
・小3の5月から、遅刻、欠席が増えた。 ・担任の先生が話しを聞くと『お母さんに怒られた』と子どもが言う。 ・授業中に『気持ち悪い』と言い、保健室に行くことが増えた。 ・ツラそうだったので母親に連絡をする。 ・母親が来る前に家の様子を聞くと「お母さんはうるさい」と本人が言う。 ・登校しても保健室にいる時間が増えたので、母親の許可をもらいスクールカウンセラーと面談をする。 ・スクールカウンセラーが母親についてきくと、母親への不満が多くでてきた。 ・これらの事象を元に、学校として親御さんに家での対応改善を進めた。
学校から改善を進められたお母さんは、下記のような対応を取ったそうです。
「宿題をやるように言うのをヤメました。」
(元々、宿題以外の勉強をやれとは言っていなかったそうです。)
「テレビやゲームを自由にやらせるようにしました。」 「本人の意志を尊重し『登校』or『遅刻』or『欠席』を決めました。」
この対応を行ったことで、お子さんにどのような変化があったのでしょう?
「笑顔は増えたような気がします。」 「ただ、勉強や宿題は全くやらなくなりました。」 「ゲームやスマホの時間が増えました。」 「食事中にyoutubeを見ようとしたので注意をしたら『先生に言うぞ!』と言ってきた。」 (結局、youtubeを許可したそうです。)
登校について聞くと、このように仰っていました。
「月に3~4回ほど、登校しました。」 「ただ、教室ではなく保健室登校です。」 「登校して1時間すると、学校から電話があります。」
『○○さんは気持ち悪いと言っています。』 『トイレで吐いたと言っています。』 『早退したいと言っているので迎えに来て下さい。』
お母さんの対応が変わっているのに登校できない理由を聞くと、お母さんはこうおっしゃいました。
「子どもは『クラスの友達がイヤだ!』と言っています。」 「担任の先生が怒るから怖いとも言っています。」 「ただ、先生は『宿題はやらなくていい』と言ってくれているので、怒らないと思うのですが・・・・。」 「私は対応を変えたので、後は先生が対応を変えれば学校にいくと思うのですが・・・。」
不登校になった時期が5月であることを考えると、不登校の理由の第1は「新しいクラスの人間関係」もしくは「担任の先生との相性」だと思われます。
ただ、担任の先生は、お子さんの話を丁寧に聞いて下さっているところを鑑みると、やはり第1の理由は「新しいクラスの人間関係」でしょう。
※ 不登校解決後に話しを聞くと、やはり友達関係が最初の理由でした。
もちろん、宿題を忘れたときに先生に怒られたことはイヤな思い出でしょう。
同様に、家でお母さんに「宿題をやれ」と言われるのもイヤだったのです。
「ゲームをもっとやりたい!」 「youtubeをもっと見たい!」 「宿題はやりたくない!」 「お母さんはうるさい!」
これも、子どもの正直な気持ちでしょう。
この事例の、お母さん、先生、スクールカウンセラーさんは、「不登校の原因」を調べることに力を入れすぎてしまったのです。
そのため、子どもは「イヤだったこと」をどんどん理由としました。
そして、学校の先生に聞かれたときは「お母さんのイヤなところ」を、お母さんに聞かれたときは「学校のイヤなところ」を話したのでしょう。
学校には「不登校の理由は家族」、家族には「不登校の理由は学校」と伝えた例は、それほど多い事例ではありません。
ただ、不登校の理由を聞けば聞くほど、原因を聞けば聞くほど、子どもが次から次へと「違う理由」を言うのは珍しくありません。
「先生が怒るの怖い!」
不登校の子どもがこう言うので、先生は怒らないようにします。
しかし、子どもが学校にくることはありません。
親御さんが理由を聞くと、不登校の子どもは別の理由を言ってきます。
「周りの子に何か言われているようで怖い。」 「学校というシステムが合わない。」など
→不登校の間違った7つの思い込み「原因を聞きすぎない」
「周りの子に何か言われているようで怖い。」
このように言う不登校の子どもに、解決案や乗り越える方法(認知行動療法など)を伝えると、それが本当の理由かどうかが分かります。
本当に「周りの子に何か言われているようで怖い」と感じている子どもは、「言われているない」ことを証明する方法を提案すると、その提案を受け入れます。
なぜなら、本当にそれが「怖い」と思っているからです。
その「怖い」から解放されたいと思っているからです。
しかし、「周りの子に何か言われているようで怖い」がそこまで大きな理由ではない子は、解決案や乗り越える方法(認知行動療法など)を提案しても拒否します。
その後、どのような解決策や乗り越える方法を提案しても、このように言って拒否したりします。
「それは○○だからイヤ!」 「それをやると□□だからムリ!」など
静岡県にお住まいのお子さんと私が初めてあったのは、お子さんが1時間だけ保健室に行き早退してきた1時間後です。
私はこのお子さんに聞きます。
「学校に行ったら気持ち悪くなったんだって!」
お子さんはこう答えます。
「そうなんです。」 「気持ち悪くなって、トイレで吐いたんです!」
私は驚いてこう聞きます。
「それは大変だったね!」 「どれくらい吐いちゃったの?」
「気持ち悪くて、ズッと吐いてました。」 「とてもたくさん吐いてしまいました。」
私はこのように言いま。
「そっか!」 「それなら、胃がスッキリしてるね!」 「もう、吐く心配はないから学校に戻ろうか?」
お子さんは、戸惑いの表情です。
「えっ?????????」 「それは・・・・・・・・。」
私も鬼ではないので、このように伝えます。
「吐いたあとだと学校に行くのはツラいかな?」
お子さんは、こう答えます。
「そうなんです!」 「動くのがツラいんです!」 「学校に行っても倒れてしまうかも!」
私は最後にこう伝えました。
「それじゃあ、今日はゲームや動画はできないね!」 「体が元気になって学校に行ったら、ゲームはやっていいと思うよ!」 「学校に行けない日は、家で吐いちゃうとマズいからゲームや動画は禁止ね!」 「ゆっくり寝て、体を休めてね!
私は訪問カウンセリングで、このような支援を行いました。
・学校でのツラい体験を聞く。 ・家での不満を聞く。 ・宿題や勉強を一緒にやる。 ・ゲームやスマホ、動画を制限する。 ・再登校の計画を経て、それを着実にクリアする。
これにより、このお子さんは3月から教室登校を始めます。
もちろん、春休みには「本人の支援」と「学校での対応ポイントのまとめ作成」を行いました。
お母さんやお父さん、不登校解決相談所の支援により、このお子さんは4月から登校を始めます。
また、担任の先生が上手にクラスでの居場所作りをして下さったことで、このお子さんの不登校は解決しました。
(その後の小学校を皆出席で卒業したそうです。)
東京都の小学校5年生と静岡県の小学校3年生の不登校が長期化してしまったのは親御さんや学校の先生、スクールカウンセラーさんが不登校の「理由」や「原因」を聞きすぎたからです。
親御さんや学校の先生、スクールカウンセラーさんが、不登校の「理由」や「原因」にこだわらず、前向きな支援をしていれば、不登校は早く解決したでしょう。
最近の不登校対応は、下記のような理想を元に行われる傾向があります。
「本人の意志を尊重する。」 「子どもを信じて待つ。」 「好きな事をして心のエネルギーを溜める。」
実際、これらの対応で不登校が解決しているのであれば問題はありません。
しかし、これらの対応を行う事で不登校が長期化、悪化しているのであれば、その対応はお子さんに合っていないということです。
成長期の子どもにとって1年はとても大切な時間です。
その1年が意味のないものにならないようにしていきたいですね。
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東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、岩手県、福島県、宮城県、山梨県、愛知県、青森県、新潟県、石川県、福井県、富山県、長野県、岐阜県、大阪府、京都府、三重県、兵庫県、奈良県、島根県、岡山県、広島県、徳島県、高知県、愛媛県、佐賀県、宮崎県、大分県、熊本県、福岡県、沖縄県から不登校の相談をいただいております。
24/10/07
24/09/30
TOP
理由や原因を解決しても登校せず・・・・
1.学校に行きたくな理由が「面倒だから」だったら?
2.不登校の理由を聞きすぎて不登校が悪化
3.不登校の理由はお母さんの愛情不足?
4.離婚して実家に!大黒柱として働くお母さん
5.「仕事を休み子どもと接する時間を増やして」と言われる
6.カウンセリングを受ければ学校を休んでいいと提案
7.子どもとの時間を増やすように提案される
8.寂しさを紛らわせるために○○が欲しい
9.子どものために仕事を1ヶ月休んだお母さん
10.1ヶ月、一緒に過ごしても不登校が解決しない!
11.不登校の原因は同じクラスのAくんだった!
12.不登校の原因はクラスメイトの「殺すぞ!」
13.親が離婚して寂しかったのも本当だけど・・・
14.クラスの人間関係と親子関係を修復
15.子どもには「ゴメンね」ではなく「ありがとう」
16.不登校期間10ヶ月の小学校3年生の相談
17.不登校の理由は「お母さん」と先生に言っていた!
18.スクールカウンセラーさんにも母親の不満を言う
19.母親が何も言わなくしたら・・・
20.月に3~4回、1時間の保健室登校に・・・
21.本当の不登校原因や不登校理由は何?
22.原因や理由を聞けば聞くほど新し理由が!
23.解決案示した時の子どもの行動で本当の理由か分かる
24.不登校解決相談所と会うことで子どもが変わった!
25.予想外の返答に戸惑い驚いた子ども
26.3月から登校開始!新学年は欠席0に!
27.不登校が長期化すると解決が困難に!
1.学校に行きたくな理由が「面倒だから」だったら?
「学校に行きたくない!」
「今日は休みたい!」
突然、子どもがこう言ってきたら・・・・。
親として心配になる気持ちはわかります。
そして、理由や原因を知りたくなるのも当然です。
しかし、理由や原因を聞きすぎる対応は、良い対応とは言えません。
なぜなら、理由や原因を聞けば聞くほど、不登校の子どもは「小さなストレス」についても話だしてしまうからです。
子どもに聞いた不登校の理由が「いじめ」「無視」「カラカイ」であれば、親として子どもの気持ちに「寄り添う」ことでしょう。
ただ、不登校の理由が「学校は面倒!」「ゲームをしたい!」「宿題やりたくない!」だったら?
親がその気持ちに「寄り添って」いいのでしょうか?
2.不登校の理由を聞きすぎて不登校が悪化
不登校の理由や原因を聞きすぎたことで、不登校が悪化した事例を2つほど紹介したいと思います。
1つは東京都にお住まいの小学校5年生の事例で、もう1つは静岡県にお住まいの小学校3年生の事例です。
どちらの事例も、親御さんや学校の先生が理由や原因を聞きすぎたことで、不登校が悪化し長期化した事例です。
※ 静岡県にある不登校解決相談所が対応を行ったことで2人とも1ヶ月も経たずに不登校が解決しました。
※ どちらの事例も担任の先生が協力的であった事が早く解決した要因の1つです。
この事例は、学校の先生、スクールカウンセラーさん、親御さんが下記のような思い込みを持っていたため、不登校が長期化してしまったと考えられます。
「不登校を解決するためには理由や原因が必要!」
※ もちろん、理由や原因が分かれば不登校は早く解決します。
3.不登校の理由はお母さんの愛情不足?
東京都にお住まいのお母さんが、相談を下さったのは11月の始めでした。
小学校5年生のお子さんが、不登校になって8ヶ月が経っているとのことです。
不登校になった理由を聞くと、お母さんはこう仰っていました。
「私の愛情不足が原因なんです!」
「仕事が忙しいことを理由に子どもとの時間を作らなかったのが悪かったんです!」
詳しく話をきいていくと、このご家庭の様子が分かってきました。
・小学校3年生の時に親が離婚をする。
・母の実家に住むようになる。
・祖父母、母、子どもの4人暮らし。
・小学校5年生の5月から不登校になる。
・スクールカウンセラーさんや市の相談員さんが子どもと話す。
・子どもは母親との時間が少なく寂しいと言う。
4.離婚して実家に!大黒柱として働くお母さん
お母さんは離婚をした後、子どもを連れて実家に戻りました。
ただ、実家くらしとは言え、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの年金だけでは生活できません。
幸い、お母さんは結婚した後も仕事は続けていたため、正社員としてそれなりの給料をもらっています。
実家くらしで、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんがいることもあり、お母さんは「一家の大黒柱」として、仕事に力をいれていたようです。
朝は子どもと一緒に家をでて、帰って来るのは夕飯の少し前です。
夕飯はお祖母ちゃんが作ってくれていたということでした。
5.「仕事を休み子どもと接する時間を増やして」と言われる
離婚をして2年後の5月。
お子さんが小学校5年生の時、登校しぶりが始まります。
最初はあまり気にしていなかったようですが、お母さんが仕事に出かけた後、子どもが家に帰ってきてしまうことが何回かあったそうです。
心配になったお母さんは、お祖母ちゃんに学校に行ってもらうことにしました。
スクールカウンセラーさんと相談をしてもらうためです。
お祖母ちゃんはスクールカウンセラーさんに、家族の様子を伝えます。
すると、カウンセラーさんから、このような答えが返ってきます。
「不登校の原因は、お母さんの愛情不足の可能性が高いですね。」
「子どもと接する時間を増やしてあげることが大切ではないでしょうか?」
「ムリして学校に来させないほうがいいでしょう。」
「学校を休んで、お母さんと話をしたり、買い物に行ったり、遊びに行ったりするといいでしょう。」
6.カウンセリングを受ければ学校を休んでいいと提案
家に帰ったお祖母ちゃんは、スクールカウンセラーさんの言葉を伝えます。
仕事に力を入れていたお母さんは「ドキッ」としたそうです。
離婚前に比べて、子どもと接する時間が減っていると感じていたからです。
その後、家族で話しをした結果、スクールカウンセラーさんにお子さんと話しをしていただくことにしました。
しかし、お子さんにこの提案をしたところ拒否されてしまいます。
どうしても専門家と話しをさせたかったお母さんは、お子さんに下記のような条件を提示します。
「カウンセリングまでは学校を休んでいいから。」
「カウンセリング当日はクラスには行かなくていいから。」
「カウンセリングだけ受けて帰ってくればいいから。」
「その後のカウンセリングは、受けても受けなくてもいいから。」
7.子どもとの時間を増やすように提案される
1ヶ月後。
このお子さんはカウンセリングだけのために学校に行きました。
そこで、スクールカウンセラーさんに、こう言ったそうです。
「お母さんが離婚して話す時間が短くなった。」
「一緒に遊んだり、買い物に行ったりも少なくなった。」
「お母さんは休みの日も疲れて眠っている。」
「遊ぼうと声をかける事ができない。」
この話しを聞いたスクールカウンセラーさんは、お母さんに連絡をします。
そこで、お子さんが「ツラい」思いをしていることを伝えます。
そして、子どもといる時間を増やすように提案したのです。
8.寂しさを紛らわせるために○○が欲しい
その後、お母さん、担任の先生、スクールカウンセラーさんの3人で今後の対応について話しをしました。
そこで決めたのが以下の内容です。
「週に1回、担任orスクールカウンセラーに会いにくる。」
学校に来ると、担任の先生やスクールカウンセラーさんは、このように聞きます。
「家での様子はどう?」
「お母さんと話す時間は増えた?」
子どもはこのように答えたそうです。
「家にいると1人ぼっちの気がする。」
「大好きな猫がいれば、寂しくないかも。」
「お母さんと一緒にゲームをしたい。」
「だから、もう一台、スイッチが欲しい。」
「大好きなアニメのフィギュアが欲しい。」
「それがあれば、気持ちが紛れる。」
この報告を受けたお母さんは、子どもの言うがまま欲しいものを買い与えたそうです。
9.子どものために仕事を1ヶ月休んだお母さん
お子さんが不登校になって5ヶ月が経ちました。
しかし、不登校の状態は一向に改善しません。
「猫を飼っても」「ゲームを買っても」「フィギュアを買っても」不登校は改善しません。
そこで、お母さんは思い切った決断をします。
会社にお願いをして「1ヶ月のまとまった休み」をもらうことにしたのです。
そして、その1ヶ月を「お子さんと一緒に過ごす1ヶ月」としました。
しかし、お母さんと一緒に1ヶ月過ごした後も、このお子さんが登校することはありませんでした。
※ 後に不登校解決相談所が当時の様子を聞くと、お母さんはこう仰っていました。
「最初の数日は甘えてきましたが、その後は普通の生活でした。」
「一緒にゲームをやろうと私が言っても、『1人がいい』と言ったりもしました。」
10.1ヶ月、一緒に過ごしても不登校が解決しない!
東京都にお住まいのお母さんが静岡県にある不登校解決相談所に相談を下さったのは、11月の上旬でした。
その時、お母さんはこう仰っていました。
「私の愛情不足が原因なんです!」
「仕事が忙しいことを理由に子どもとの時間を作らなかったのが悪かったんです!」
「だから、1ヶ月休みをとって一緒に過ごしました。」
「しかし、不登校は解決していません。」
「やはり、仕事をやめて一緒にいる時間を増やさないとダメでしょうか?」
少しでも早く不登校を解決するため、お母さんは訪問カウンセリングをご依頼下さいました。
私は事前にお子さんの様子を聞き、不登校の原因が「お母さんではない」という確信をもちました。
同時に、始めて会ったときに「どのような話しをする」のかも決めました。
11.不登校の原因は同じクラスのAくんだった!
始めてお伺いしたとき、子ども部屋の様子をみてとても驚きました。
TVやゲーム機(スイッチ2台、PS41台)だけでなく、アニメのフィギュア、猫のゲージ、猫と遊ぶ道具、マンガ、カードゲームなどがたくさんあったからです。
さらには、そのどれもが新品だったのです。
私は猫やゲーム、アニメの話しをした後、4月~5月のクラスの様子について話しを聞きました。
→「初めてのカウンセリングで趣味の話しだけで終わらないのはなぜ?」
すると「Aくん」の名前が何度か出てくることに気づきます。
それも、悪い話の時に必ず出てくるのです。
私は教員時代にAくんに似た子を思いだし、その子の様子や行った悪事について話します。
この話を聞いた、お子さんは私にこう言ってきました。
「分かる!」
「僕も注意をしたら、文句を言われ睨まれた!」
12.不登校の原因はクラスメイトの「殺すぞ!」
私はAくんの話しを詳しく聞いていきます。
すると、予想通り「不登校の原因」がAくんであることを話してくれました。
「Aくんとは始めて同じクラスになった。」
「良くも悪くも元気のいい子だった。」
「授業中にうるさくしたときは注意をしていた。」
「Aくんは注意をすると必ず睨んできた。」
「でも、僕は睨まれても気にせず注意をしていた。」
このお子さんは学級委員の経験者だったようです。
「休み時間、ベランダで手を洗っていた。」
「ベランダにいたのは僕だけだった。」
「するとAくんが来て、カギを閉めた。」
「僕はドアを叩いて開けてくれるように頼んだ。」
「Aくんは無視してきたが、別の子がカギを開けてくれた。」
「僕はAくんに文句を言った。」
ベランダに閉じ込められたことに対して怒るのは普通の事でしょう。
しかし、ここでAくんの反撃にあったようです。
「Aくんは僕の胸ぐらをつかんでこう言ってきました。」
『殺すぞ!』
「それから、僕はAくんの事が怖くなって注意ができなくなりました。」
「学校にも行きづらくなって・・・・。」
13.親が離婚して寂しかったのも本当だけど・・・
お母さんについても聞いてみました。
「お母さんとお父さんが離婚をしたのはショックでした。」
「この家に引っ越すのもイヤでした。」
「お母さんの仕事の時間は増えました。」
「夕飯もお祖母ちゃんが作るようになって。」
「正直、僕はお母さんの作ったご飯のが好きです。」
「お母さんと話す時間が短くなって寂しかったのは本当です。」
「土日もお母さんは疲れているので、あまり話さなくなりました。」
やはり、お母さんが忙しくて「寂しかった」と言うのはウソではなかったのです。
ただ、離婚したのは小学校3年生、不登校になったのは小学校5年生です。
不登校の原因のほとんどがクラスの人間関係です。
さらには、4月~5月に不登校になるお子さんの原因は「新しいクラスの人間関係」です。
実際、このお子さんの理由もそうでした。
14.クラスの人間関係と親子関係を修復
私は「学校の人間関係」と「親子関係」を分けて考える提案をします。
お子さんに対しては、2つの支援を行いました。
1つ目は「学校の人間関係を修復し子どもの自信回復すること。」
2つ目は「お母さんの気持ちを伝え正しい親子関係を再構築すること。」
具体的には、下記のような支援を行いました。
「担任の先生にAくんとの事件についてお伝えし関係を修復してもらう。」
「悪いことを注意することは正しい行為であり、必要な行為であることを伝える。」
「ただし、危険を感じたり、ツラい思いするのであれば、この限りではない。」
「学校を休むときも他の子と同じ量の宿題を行うとともに授業の予習を行う。」
最初は私とお母さんで支援を行っていく予定でしたが、担任の先生が家庭訪問をして下さったことで、予定より早く人間関係や勉強についての自信を取り戻すことができました。
お母さんの仕事については、このような話しをしました。
「お母さんは家族のために仕事をしているんだよ!」
「決して君がキライで仕事をしているんじゃないよ!」
「会社を1ヶ月休むってすごい事だよ!」
「それは君のことを大切に思ってるからできたことだよ!」など
そして、最後にこのようにも伝えました。
「でもね、寂しいときは正直にお母さんに言うんだよ!」
「そうしたら、お母さんは必ず話しを聞いてくれるからね!」
15.子どもには「ゴメンね」ではなく「ありがとう」
同時にお母さんに対しても、2つの支援を行いました。
1つ目「学校に関する声かけと基本姿勢について。」
2つ目「仕事に関する声かけと基本姿勢について。」
具体的には、下記のような支援を行いました。
「子どもが相談をしてきたら時間を作って聞いてあげて下さい。」
「学校に行きたくないと言ったときも『ムリして行かなくていいよ!』ではなく、乗り越える方法を一緒に考えて下さい。」
「先生に相談するのも有効です。」
「子どもの話をきき、早く動きだすことが大切です。」
仕事に関してはこのように伝えました。
「家族の為に仕事をしているので、やめる必要はありません。」
「ただ、子どもに対しては感謝の気持ちを伝えて下さい。」
『いつも寂しい思いをさせてゴメンね!』
『あなたが学校でガンバってくれて本当に嬉しいよ!』
『お母さんの事を心配してくれてありがとう。』
『あなたが良い子で助かるよ!』など
担任の先生の協力もあり、このお子さんは2週間で登校を始めます。
そしてAくんについて、このように言っていました。
「なんか僕がいない間に、おとなしくなっていた。」
「みんなの話しだと、授業中にうるさくして○○先生に怒鳴られたんだって。」
16.不登校期間10ヶ月の小学校3年生の相談
不登校の理由や原因を聞きすぎたことで、不登校が悪化したもう一つの事例を紹介します。
静岡県にお住まいのお母さんが、相談を下さったのは2月の前半でした。
不登校になって10ヶ月が経ってしまった小学校3年生の相談です。
最初の電話相談でお母さんは、こう仰っていました。
「クラスの友達のことで不登校になりました。」
「新しいクラスで友達が出来なかったようです。」
「先生が怖いとも言っていました。」
「忘れ物をすると怒られるからイヤだと言っていました。」
「子どもが怒られないように、持ち物チェックをしていたのですが・・・。」
この話しを聞いた私は「不登校あるある」だなと思いました。
しかし、その後のお母さんの話しで、このお子さんの不登校が少しこじれていることがわかります。
17.不登校の理由は「お母さん」と先生に言っていた!
「学校の先生からは不登校の原因は母親であると言われました。」
「担任の先生、保健の先生、スクールカウンセラーさんが、何度も子どもと話した結果だそうです。」
『お母さんが細かいことをうるさく言う。』
『テレビを見ていると、勉強しろ、勉強しろと何度も言う。』
『家にいると、ゆっくりすることができない。』
『たまにはゲームをしたり、TVを見たりしてノンビリしたい。』
このお子さんは、学校の先生たちには「不登校はお母さんのせい」といい、家では「友達や先生のせい」と言っていたのです。
私は、お母さんに下記のようなお願いをしました。
「お母さんの話しだけでなく、学校の先生にも話しをお伺いしたいです。」
「先生と私が話しを出来るように学校にお願いしていただけませんか。」
お母さんが校長先生にお願いをしたところ、すぐに先生との面談許可を下さいました。
(外部のカウンセラーが入ってくることを嫌う学校は多いです。)
18.スクールカウンセラーさんにも母親の不満を言う
私は学校に行くと、担任の先生と保健の先生が待っていて下さいました。
たまたま、保健の先生が知っている先生と私が同じ学校に勤務していたことが分かり、情報交換はスムーズに進みました。
そのとき、お聞きした学校の対応やお子さんの状態は下記のようなものでした。
・小3の5月から、遅刻、欠席が増えた。
・担任の先生が話しを聞くと『お母さんに怒られた』と子どもが言う。
・授業中に『気持ち悪い』と言い、保健室に行くことが増えた。
・ツラそうだったので母親に連絡をする。
・母親が来る前に家の様子を聞くと「お母さんはうるさい」と本人が言う。
・登校しても保健室にいる時間が増えたので、母親の許可をもらいスクールカウンセラーと面談をする。
・スクールカウンセラーが母親についてきくと、母親への不満が多くでてきた。
・これらの事象を元に、学校として親御さんに家での対応改善を進めた。
19.母親が何も言わなくしたら・・・
学校から改善を進められたお母さんは、下記のような対応を取ったそうです。
「宿題をやるように言うのをヤメました。」
(元々、宿題以外の勉強をやれとは言っていなかったそうです。)
「テレビやゲームを自由にやらせるようにしました。」
「本人の意志を尊重し『登校』or『遅刻』or『欠席』を決めました。」
この対応を行ったことで、お子さんにどのような変化があったのでしょう?
「笑顔は増えたような気がします。」
「ただ、勉強や宿題は全くやらなくなりました。」
「ゲームやスマホの時間が増えました。」
「食事中にyoutubeを見ようとしたので注意をしたら『先生に言うぞ!』と言ってきた。」
(結局、youtubeを許可したそうです。)
20.月に3~4回、1時間の保健室登校に・・・
登校について聞くと、このように仰っていました。
「月に3~4回ほど、登校しました。」
「ただ、教室ではなく保健室登校です。」
「登校して1時間すると、学校から電話があります。」
『○○さんは気持ち悪いと言っています。』
『トイレで吐いたと言っています。』
『早退したいと言っているので迎えに来て下さい。』
お母さんの対応が変わっているのに登校できない理由を聞くと、お母さんはこうおっしゃいました。
「子どもは『クラスの友達がイヤだ!』と言っています。」
「担任の先生が怒るから怖いとも言っています。」
「ただ、先生は『宿題はやらなくていい』と言ってくれているので、怒らないと思うのですが・・・・。」
「私は対応を変えたので、後は先生が対応を変えれば学校にいくと思うのですが・・・。」
21.本当の不登校原因や不登校理由は何?
不登校になった時期が5月であることを考えると、不登校の理由の第1は「新しいクラスの人間関係」もしくは「担任の先生との相性」だと思われます。
ただ、担任の先生は、お子さんの話を丁寧に聞いて下さっているところを鑑みると、やはり第1の理由は「新しいクラスの人間関係」でしょう。
※ 不登校解決後に話しを聞くと、やはり友達関係が最初の理由でした。
もちろん、宿題を忘れたときに先生に怒られたことはイヤな思い出でしょう。
同様に、家でお母さんに「宿題をやれ」と言われるのもイヤだったのです。
「ゲームをもっとやりたい!」
「youtubeをもっと見たい!」
「宿題はやりたくない!」
「お母さんはうるさい!」
これも、子どもの正直な気持ちでしょう。
22.原因や理由を聞けば聞くほど新し理由が!
この事例の、お母さん、先生、スクールカウンセラーさんは、「不登校の原因」を調べることに力を入れすぎてしまったのです。
そのため、子どもは「イヤだったこと」をどんどん理由としました。
そして、学校の先生に聞かれたときは「お母さんのイヤなところ」を、お母さんに聞かれたときは「学校のイヤなところ」を話したのでしょう。
学校には「不登校の理由は家族」、家族には「不登校の理由は学校」と伝えた例は、それほど多い事例ではありません。
ただ、不登校の理由を聞けば聞くほど、原因を聞けば聞くほど、子どもが次から次へと「違う理由」を言うのは珍しくありません。
「先生が怒るの怖い!」
不登校の子どもがこう言うので、先生は怒らないようにします。
しかし、子どもが学校にくることはありません。
親御さんが理由を聞くと、不登校の子どもは別の理由を言ってきます。
「周りの子に何か言われているようで怖い。」
「学校というシステムが合わない。」など
→不登校の間違った7つの思い込み「原因を聞きすぎない」
23.解決案示した時の子どもの行動で本当の理由か分かる
「周りの子に何か言われているようで怖い。」
このように言う不登校の子どもに、解決案や乗り越える方法(認知行動療法など)を伝えると、それが本当の理由かどうかが分かります。
本当に「周りの子に何か言われているようで怖い」と感じている子どもは、「言われているない」ことを証明する方法を提案すると、その提案を受け入れます。
なぜなら、本当にそれが「怖い」と思っているからです。
その「怖い」から解放されたいと思っているからです。
しかし、「周りの子に何か言われているようで怖い」がそこまで大きな理由ではない子は、解決案や乗り越える方法(認知行動療法など)を提案しても拒否します。
その後、どのような解決策や乗り越える方法を提案しても、このように言って拒否したりします。
「それは○○だからイヤ!」
「それをやると□□だからムリ!」など
24.不登校解決相談所と会うことで子どもが変わった!
静岡県にお住まいのお子さんと私が初めてあったのは、お子さんが1時間だけ保健室に行き早退してきた1時間後です。
私はこのお子さんに聞きます。
「学校に行ったら気持ち悪くなったんだって!」
お子さんはこう答えます。
「そうなんです。」
「気持ち悪くなって、トイレで吐いたんです!」
私は驚いてこう聞きます。
「それは大変だったね!」
「どれくらい吐いちゃったの?」
お子さんはこう答えます。
「気持ち悪くて、ズッと吐いてました。」
「とてもたくさん吐いてしまいました。」
25.予想外の返答に戸惑い驚いた子ども
私はこのように言いま。
「そっか!」
「それなら、胃がスッキリしてるね!」
「もう、吐く心配はないから学校に戻ろうか?」
お子さんは、戸惑いの表情です。
「えっ?????????」
「それは・・・・・・・・。」
私も鬼ではないので、このように伝えます。
「吐いたあとだと学校に行くのはツラいかな?」
お子さんは、こう答えます。
「そうなんです!」
「動くのがツラいんです!」
「学校に行っても倒れてしまうかも!」
私は最後にこう伝えました。
「それじゃあ、今日はゲームや動画はできないね!」
「体が元気になって学校に行ったら、ゲームはやっていいと思うよ!」
「学校に行けない日は、家で吐いちゃうとマズいからゲームや動画は禁止ね!」
「ゆっくり寝て、体を休めてね!
26.3月から登校開始!新学年は欠席0に!
私は訪問カウンセリングで、このような支援を行いました。
・学校でのツラい体験を聞く。
・家での不満を聞く。
・宿題や勉強を一緒にやる。
・ゲームやスマホ、動画を制限する。
・再登校の計画を経て、それを着実にクリアする。
これにより、このお子さんは3月から教室登校を始めます。
もちろん、春休みには「本人の支援」と「学校での対応ポイントのまとめ作成」を行いました。
お母さんやお父さん、不登校解決相談所の支援により、このお子さんは4月から登校を始めます。
また、担任の先生が上手にクラスでの居場所作りをして下さったことで、このお子さんの不登校は解決しました。
(その後の小学校を皆出席で卒業したそうです。)
27.不登校が長期化すると解決が困難に!
東京都の小学校5年生と静岡県の小学校3年生の不登校が長期化してしまったのは親御さんや学校の先生、スクールカウンセラーさんが不登校の「理由」や「原因」を聞きすぎたからです。
親御さんや学校の先生、スクールカウンセラーさんが、不登校の「理由」や「原因」にこだわらず、前向きな支援をしていれば、不登校は早く解決したでしょう。
最近の不登校対応は、下記のような理想を元に行われる傾向があります。
「本人の意志を尊重する。」
「子どもを信じて待つ。」
「好きな事をして心のエネルギーを溜める。」
実際、これらの対応で不登校が解決しているのであれば問題はありません。
しかし、これらの対応を行う事で不登校が長期化、悪化しているのであれば、その対応はお子さんに合っていないということです。
成長期の子どもにとって1年はとても大切な時間です。
その1年が意味のないものにならないようにしていきたいですね。
→まずは静岡にある不登校解決相談所の無料相談を!
→全国から、相談の依頼をいただいております。
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