① 不登校解決相談所が、本人のやる気を引き出すとともに不安な部分を確認する。
② 3月から教室登校を開始するため、起床、就寝、ゲームや動画の時間を決める。
③ 「休み時間に1人になってしまう。」「班活動の時に話ができない。」などの不安を解消する方法を提案する。
④ 担任、母親、本人、不登校解決相談所で、具体的な対応や連携を決める。
「登校開始後」
① 授業でSSTやエンカウンターを取り入れ、友達との関係を円滑にする。
② 休み時間などに教員が子どもに意識を向け、事前に決めたSOSサインを確認する。
③ SOSサインがでた場合、あらかじめ決めた対応や支援を行う。
④ 家庭では安易に欠席を認めず、不安の部分を聞いたり、励ましたりする。
⑤ 本人の不安を、不登校解決相談所、家庭、学校で共有し、連携して支援を行う。
あなたならどのように対応や支援を行う?
1.「小学校5年生の不登校相談」事例
2.小4:月に1~2回の欠席、小5:完全不登校
3.小4:クラスでは1人で過ごすようになる
4.小5:場面緘黙は愛情不足と言われる
5.家庭:子どもの好きな事をやらせる対応
6.子ども:昼夜逆転でゲームやスマホ依存に!
7.学校:友達に声をかけるようにお願いする
8.あなたならどのような対応や支援を行う?
9.実際に行った対応や支援
10.3月から登校!小学校6年生は欠席2日のみ!
1.「小学校5年生の不登校相談」事例
本事例は小学校5年生の男の子の事例です。
相談をいただいたのは、対象児童が小学校5年生の2月です。
下記に記す内容が、実際に不登校解決相談所に相談が寄せられたものです。
同じような状態のお子さんを持つ、親御さんや先生、カウンセラーの方は、自分ならどのような対応や支援をするのかを考えて下さい。
もちろん、実際に行った対応や支援とその結果をお伝えさせていただきます。
この事例が、子どもに合った対応、親御さんに合った対応、先生に会った対応を見つけるヒントになればと考えております。
本人が特定されないように、細かい部分に変更を加えてありますが、基本的には実際の事例と変わらないとお考え下さい。
2.小4:月に1~2回の欠席、小5:完全不登校
・いつ頃から不登校になりましたか?
「完全不登校になって半年が経ちました。」
・それ以前に登校しぶりはありましたか?
「今、考えると小学校4年生の頃から、登校をしぶることがあったと思います。」
「小学校4年生の頃は、月に1~2回程度、腹痛で休んでいました。」
「小学校5年生になると、週に1回程度、学校を休むようになりました。
「この頃から、登校しぶりも始まりました。」
「朝になると、お腹が痛い、気持ち悪い、頭が痛いと言うようになったんです。」
「それでも1学期の間は学校に行けていました。」
「完全に不登校になってしまったのが、小学校5年生の2学期からです。」
※ 完全不登校になったのは小学校5年生の9月からで6ヶ月が経っていた。
3.小4:クラスでは1人で過ごすようになる
・小学校4年生のころ、クラスの様子はどうでしたか?
「小学校4年生のとき、担任の先生からこのように言われました。」
『おとなしいタイプですが、コツコツまじめに活動しています。』
『本が好きなようで、休み時間はよく読書をしています。』
「おとなしいタイプと言われたのは初めてでした。」
「家ではとても元気でうるさいからです。」
「ただ、学校と家の態度が違うのは普通だとも思ったので、あまり気にしませんでした。」
「読書については???と思った記憶があります。」
「しかし、家での様子は元気でしたし、学校も休んでいなかったので、あまり気にしませんでした。」
※ 小学校4年生のころ「家では元気」「学校では休み時間に読書」だった。
4.小5:場面緘黙は愛情不足と言われる
・小学校5年生のころ、クラスの様子はどうでしたか?
「新しい担任の先生は、特別支援学級を経験したことがある先生でした。」
「その先生からは、このように言われました。」
『コミュニケーションを取るのが苦手ですね。』
『休み時間は読書をするか、空を見ていることが多いです。』
『クラスではほとんど喋りません。』
『もしかしたら、場面緘黙ではないでしょうか?』
『1度、スクールカウンセラーに相談をしてみてはどうですか?』
「すぐにスクールカウンセラーさんに相談をしました。」
「そこでは、このように言われました。」
『場面緘黙は、家庭環境の不和や愛情不足であることが多いです。』
『子どものことを第1に考えて下さい。』
「子どもの登校しぶりが私のせいだとわかり、本当にショックでした。」
※ 学校ではほとんど喋らない。
※ スクールカウンセラーさんに場面緘黙と言われる。
※ 場面緘黙の原因は「愛情不足」と言われれる。
5.家庭:子どもの好きな事をやらせる対応
・不登校の原因や理由はわかりますか?
「私の愛情不足で、子どもが場面緘黙になってしまったからです。」
「コミュニケーションを取るのが苦手なのも、私の育て方が悪かったんだと思います。」
(このお子さんの不登校の原因は、愛情不足ではないので、そのむねはすぐに伝えました。)
・不登校になってから、お子さんにはどのような対応を取ってきましたか?
「ムリをさせない対応をとってきました。」
「子どもの気持ちを優先してきました。」
「子どもの意志を尊重して、やりたいことを自由にやらせてきました。」
「そうすれば、親の愛情が伝わると言われたからです。」
「また、心のエネルギーもたまると言われました。」
「そうすれば、不登校は解決すると・・・。」
※ 「ムリをさせない」「意志を尊重」「好きなことをやらせる」対応をとってきた。
6.子ども:昼夜逆転でゲームやスマホ依存に!
・家での様子はどうですか?
「最初は宿題やお手伝いをしていましたが、現在は昼夜逆転に近い状態になっています。」
「毎日、10時~12時の間に起きてきて、遅い朝ご飯を食べます。」
「その後、テレビでyoutyubeをみたり、ゲームをしたりして過ごします。」
「ゲームの時間は1日6~8時間です。」
「youtubeを見る時間は4~6時間位だと思います。」
「とにかく、ゲームをするか、youtubeを見るかのどちらかです。」
・ゲームや動画ばかりの生活についてスクールカウンセラーさんは何と言っていますか?
「ゲームや動画はそのうち飽きると言われました。」
「やりたいだけやれば、ゲームやyoutubeに飽きて動き出すと言われました。」
・お母さんから見て、ゲームやyoutubeに飽きる気配はありますか?
「正直、飽きる気配はありません。」
「最近は、パソコンが欲しい、コントローラーが欲しい、課金したいと言うようになりました。」
※ ゲームや動画依存状態になりつつある。
7.学校:友達に声をかけるようにお願いする
・学校の先生はどのような対応をとっていますか?
「小学校5年生の先生はクラスの友達に声をかけるように頼んでくれました。」
「クラスの友達に声をかけられた息子は嬉しかったようで、家に帰ってきて私に報告をしてくれました。」
「しかし、息子の笑顔も数日でなくなっていきました。」
「友だちは2~3回、声をかけてくれたそうですが、それ以降、声をかけてくれなかったそうです。」
「多分、息子は上手く話すことが出来なかったのでしょう。」
「それ以降、息子は『友だちに声をかける』ことが更に苦手になってしまったようです。」
※ 担任の先生は「友だちに声をかける」ことをお願いした。
※ それが続かず、子どもの不安は高まった。
8.あなたならどのような対応や支援を行う?
以上が初めて相談をいただいたときの内容です。
この子どもの不登校を解決するために、あなたは「どのような対応や支援」を行いますか?
このまま待つ対応をしますか?
好きなだけゲームや動画を見ることができる生活を続けますか?
子どもの意志を尊重して、ストレスがたまらないようにしますか?
「この対応が正しい!」
「その対応は間違っている!」
そのような対応や支援はありません。
大切なのは、それぞれの子どもの状況を見極め、それぞれの子どもに合った対応を行うことです。
9.実際に行った対応や支援
不登校解決相談所では、お母さんやお父さんの希望や可能な対応、学校の先生の考えや可能な対応、本人の気持ちと状態を確認しました。
幸い学校の先生は協力的であったため、下記のように連携をして対応を行っていただきました。
「登校前の対応」
① 不登校解決相談所が、本人のやる気を引き出すとともに不安な部分を確認する。
② 3月から教室登校を開始するため、起床、就寝、ゲームや動画の時間を決める。
③ 「休み時間に1人になってしまう。」「班活動の時に話ができない。」などの不安を解消する方法を提案する。
④ 担任、母親、本人、不登校解決相談所で、具体的な対応や連携を決める。
「登校開始後」
① 授業でSSTやエンカウンターを取り入れ、友達との関係を円滑にする。
② 休み時間などに教員が子どもに意識を向け、事前に決めたSOSサインを確認する。
③ SOSサインがでた場合、あらかじめ決めた対応や支援を行う。
④ 家庭では安易に欠席を認めず、不安の部分を聞いたり、励ましたりする。
⑤ 本人の不安を、不登校解決相談所、家庭、学校で共有し、連携して支援を行う。
10.3月から登校!小学校6年生は欠席2日のみ!
上記の対応を行ったことで、このお子さんは3月から登校を始めます。
3月から登校ができたことにより、学校や友達への不安も減っていきました。
もちろん、3月に登校出来たことを連携して褒めることで、本人の自信につなげて行きました。
春休みも不登校解決相談所、親、学校が連携した声かけを行ったことで、このお子さんは学校への不安を口にしなくなりました。
春休みの声かけや支援、対応が功を奏し、このお子さんは登校しぶりをすることなく、学校に行くことができました。
その後、このお子さんの登校は安定し、小学校6年生は欠席が2日だけで完全に不登校が解決しました。
中学校も問題なく登校出来たようで、現在、高校2年生となっています。
→詳しく知りたい方は不登校解決相談所の無料相談を!
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