不登校の早期解決には家庭と学校の連携が大切!①

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不登校の早期解決には家庭と学校の連携が大切!①

不登校解決事例

2018/02/15 不登校の早期解決には家庭と学校の連携が大切!①

お母さん、先生、気をつけて!

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1.小学校6年生から不登校になったAYさん
2.宿題を始めるAYさん
3.3日目までは宿題をやるけど・・・・
4.4日目からやらなくなった理由
5.母が「無理しなくていいよ!」と言った理由
6.AYさん、お母さん、私で連携!
7.1ヶ月後、教室復帰!卒業まで無遅刻、無欠席!

 

 

1.小学校6年生から不登校になったAYさん

今から15年ほど前、私が中学校の教員をしていた頃、小学校6年生の5月から不登校になってしまったAYさんの担任をすることになりました。AYさんはお母さんと妹の3人家族です。

 

入学式にくることができなかったAYさん。私は早速、お母さんと連絡をとりAYさんの家庭訪問を実施します。

 

1時間ほど、私とお母さんとAYさんで話をしたなかで、AYさんはこのようなことを自ら話しました。

 

「がんばって学校に行きたいと思っている!」
「でも、勇気がでない・・・・。」
「勉強もがんばろうと思っている!」
「でも、よく分からない・・・・。」

 

そこで、私はAYさんにこう伝えます。

 

「がんばろうと思う心はとても大切だよ!」
「そう思ってる子は必ず復帰できるよ!」
「先生も手伝うからね!」
「勉強も教えてあげる!」

 

 

2.宿題を始めるAYさん

私は週に1回AYさんの家に家庭訪問をしました。そこで、一緒に宿題をやったり、クラスの様子を伝えたりしていきました。

 

私が一緒に宿題をやると、AYさんはとても熱心に宿題に取り組みました。また、私がAYさんに基本を教えると、AYさんはすぐにそれを理解し、慣れてくると応用問題もできるようになっていきました。

 

AYさんは典型的なやればできる子だったのです。

 

私は、AYさんのやる気が出るように声をかけます。AYさんもそれに答え、一生懸命に宿題に取り組み始めました。

 

 

3.3日目までは宿題をやるけど・・・・

私は家庭訪問をして一緒に宿題をやった後、残りの一週間分の宿題についてAYさんと相談します。

 

やる気のあるAYさんは、自分ができる範囲以上に宿題をやると言います。しかし、無理をしすぎて、途中でやめてしまっては意味がないので、私はAYさんにこう伝えます。

 

「できたら、AYさんが言ったこのページまでがんばって!」
「でも、先生との約束はこのページまででいいからね!」

 

そして、翌週、AYさんの家に行くと、AYさんが私にこう言います。

 

「先生、ゴメンなさい。」
「約束のページまでやっていません。」

 

 

4.4日目からやらなくなった理由

私がAYさんにだした宿題はたいした量ではありません。1日30分程度で終わる宿題です。

 

もちろん、途中、確認の電話を入れず、AYさんに全てを任せてしまった私の責任もあります。

 

そこで、私はAYさんに確認の電話を入れなかったことを謝り、宿題をやらなかった理由を聞きました。そのときにAYさんが話した内容が以下のものです。

 

「最初の3日はちゃんとやりました。」
「4日目に面倒になってやっていませんでした。」
「そのときに、お母さんが宿題について聞いてきました。」
「そして、お母さんにこう言われました。」

 

母「無理しなくていいよ!」

 

「私はこの言葉に甘えてしまいました。」
「ごめんなさい。サボりました!」

 

 

5.母が「無理しなくていいよ!」と言った理由

お母さんは私とAYさんのジャマをしたかったわけではありません。AYさんの気持ちを考え、「無理しなくていいよ!」と声をかけたのです。

 

後でお母さんに聞いたところ、お母さんはこう思って「無理しなくていいよ!」と言ったそうです。

 

「難しくて分からないんじゃないかな~。」
「勉強を嫌いになったら困る。
「がんばりすぎて、疲れるのはよくない。」
「学校の事で心のエネルギーがなくなってしまう。」

 

AYさんはこの言葉に甘えてしまいました。そして、宿題をサボってしまったのです。

 

ただ、AYさんは正直に自分の悪いところを私に話してくれました。もちろん、私も確認の電話などをしなかったなど、悪いところがありました。それぞれが失敗してしまってのです。

 

 

6.AYさん、お母さん、私で連携!

同じ過ちを繰り返さないようにするため、AYさんとお母さん、私は3人で連携をすることにしました。そのとき、3人で決めた内容がこれです。

 

AYさん
・面倒でも決めた宿題はしっかりとやる。
・少しがんばればできる課題を設定する。
・ちょっと無理をする。
・無理なときは正直に言う。
・サボったときは正直に謝る。

 

お母さん
・励ましの声をかける。
・宿題をやるように促す。
・AYさんが正直に話をしたときは、相談にのる。
・サボったときは叱る。

・がんばっている、続けているときは褒める。

 

教師(私)
・AYさんと宿題の量を相談する。
・がんばりすぎない課題を設定する。
・楽しすぎない課題を設定する。
・週に2回、家庭訪問をして宿題の確認をする。
・サボったときは叱る。
・がんばっている、続けているときは褒める。

 

 

7.1ヶ月後、教室復帰!卒業まで無遅刻、無欠席!

AYさん、お母さん、私で共通の目的のために、連携をしたことでAYさんは宿題を毎日する習慣をつけることができました。

 

お母さんが声をかけてくれたことで、毎日、宿題をやるようになったAYさんを私はいろいろな方法で称揚しました。

 

同様に、お母さんも「褒める場が増えた!」とおっしゃって下さいました。

 

もちろん、AYさんの自己肯定感は上がり、何事にも前向きに活動するようになりました。

 

そんなAYさんは。5月の中旬から教室に復帰しました。そして、卒業までの約3年間、無遅刻、無欠席ですごすようになりました。

若かった私に「不登校の解決には家庭との連携が効果的」と教えてくれた事例だと感じています。
→「学校と連携するコツを教えて!」
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