不登校の子どもに「予定を自分で決めさせる！」は諸刃の剣！使うときは少し先の未来を考えて！

ゆっくり不登校を解決のメリットとデメリット

 

 

１．ゆっくり、不登校を解決しよう！？
２．ゆっくり不登校解決のメリットとデメリット
３．予定通り目標を達成してますか？
４．子供の様子が徐々に悪い方向へ・・・
５．ゆっくりで不登校が解決すること悪化する子の違いは？
６．大切なのは「先を見通した事前支援！」
７．好きな授業だけ出てみよう！のメリットは？
８．嫌いな授業にはいつから出るの？一生出ないの？
９．慣れれば嫌いな授業にもでるようになるの？
10．少し先の未来についても話し合う
11．個人の心理、人間の心理、集団の心理

 

 

１．ゆっくり、不登校を解決しよう！？

不登校の解決にはいろいろな方法があります。

 

よく言われているのはこのような解決方法です。

 

「徐々に登校できるようにしよう！」
「最初は校門まで行けるようにしよう！」
「５分でもいいから学校に行こう！」
「別室に行けるようにしよう！」
「好きな授業から出よう！」

 

不登校になってしまった子供を、少しずつゆっくり登校できるようにしていこうという考え方です。

 

また、このような対応も同時に行われます。

 

「無理しなくてもいいよ！」
「できることだけやればいいよ！」
「自分で予定を決めていいよ！」
「帰りたかったら、帰っていいよ！」

 

 

２．ゆっくり不登校解決のメリットとデメリット

これらの対応にはメリットがあります。それがこれです。

 

「子供の心が安定する。」
「行動を起こしやすい。」
「子供の負担が少ない。」

 

同様にデメリットもあります。

 

「不登校の解決に時間がかかる。」
「チャンスの時に行動に移せない。」
「教室に戻りづらくなる。」
「人間関係力が下がる。」
「不安が大きくなる。」
「怠惰の心が出てきてしまう。」など

 

 

３．予定通り目標を達成してますか？

「校門まで行く」→　クリア

「５分だけ学校に行く」→　クリア

「別室に行く」→　クリア

「好きな授業に出る」→　クリア

 

不登校のお子さんが、計画通りに目標をクリアして行ければ、これほど嬉しいことはありません。

 

ただ、このように上手に目標をクリアできているでしょうか？

 

「校門までは行けたけど、そこから先に進めません！」

「先生に会いに行くことはできたけど、別室に行きません。」

「別室には行っているけど、授業に出ようとしません。」

「好きな授業はでるけど、嫌いな授業に出ようとしません。」

 

静岡にある不登校解決相談所にはこのような相談が多く寄せられます。

 

 

４．子供の様子が徐々に悪い方向へ・・・

さらにはこのような相談をいただくこともあります。

 

「最初は好きな授業だけは出てたのですが・・・・。」
「徐々に授業に出なくなり、別室にこもるように・・・・。」
「最近は別室にすら行かなくなってしまいました。」

 

さらに、そのお母さんはこのように続けました。

 

「塾にも行かなくなりました。」
「宿題や勉強もしなくなりました。」
「毎日、ゲームをしたり、動画を見たりして過ごしています。」

 

当初の予定では、徐々にステップアップしていくよていだったにも関わらず、現実は、徐々にダウン（後退）してしまっているのです。

 

ただ、悲しいことにこのような事例が沢山あるのが現状です。

 

 

５．ゆっくりで不登校が解決すること悪化する子の違いは？

スモールステップで目標をクリアしていくことは大切です。

 

実際に、静岡にある不登校解決相談所でも同様の支援をしていくことが多くあります。

 

もちろん、静岡にある不登校解決相談所が支援をして、スモールステップで目標をクリアして、不登校を解決したお子さんも多くいらっしゃいます。

 

スモールステップで不登校が解決した子と、スモールステップで不登校が解決しない子、逆に不登校が悪化してしまった子では何が違うのでしょうか？

 

子供の気質や親の育て方が違うのでしょうか？

 

静岡にある不登校解決相談所では、お母さん方にこのように伝えております。

 

「そんなことはありません！」
「お子さんが悪いのではありません！
「お母さんの子育てが悪いのでもありません！」

 

 

６．大切なのは「先を見通した事前支援！」

それでは、スモールステップで不登校が解決した子と、スモールステップで不登校が解決しない子、逆に不登校が悪化してしまった子では何が違うのでしょうか？

 

もちろん、一人ひとりの不登校解決事例によって、細かい違いは沢山あります。

 

ただ、スモールステップで不登校が解決した子供と、解決していない子供、逆に悪化した子供の違いはこれです。

 

「先を見通した事前支援を行っていたかどうか！」

 

 

７．好きな授業だけ出てみよう！のメリットは？

「先を見通した事前支援」とはどのようなものでしょうか？

 

具体的な例で説明をさせていただきます。

 

例えば、カウンセラーさんや学校の先生は安易にこのように言ってしまうことがあります。

 

「好きな授業だけでいいから受けてみよう！」

 

この言葉のメリットは、不登校の子供が授業に参加する確率がとても高いものです。

 

「嫌いな授業だけでいいから受けてみよう！」

 

このように逆のことを言う先生はほとんどいません。

 

当たり前ですが、ただでさえ「学校に行かなければならない」というプレッシャーがあるのに、さらに「嫌いな教科」と言われれば、プレッシャーは高まります。

 

逆に「好きな授業だけ」という言葉があれば、プレッシャーは小さくなります。さらにはこのように思う可能性が高まります。

 

「行ってみようかな？！」

 

 

８．嫌いな授業にはいつから出るの？一生出ないの？

「好きな授業だけでいいから受けてみよう！」

 

実はこの言葉は、諸刃の剣でもあります。

 

この言葉は、登校を促す言葉としては、とても効果的な言葉です。

 

お母さんや先生、カウンセラーさん、本人に悪気はありません。

 

母「好きな授業だけでもいいから学校に行ってほしい！」
先生「がんばって学校に来られた！エライ！」
カウ「ゆっくり、あなたのペースでいいのよ！」
本人「がんばって少しずつ登校をしよう！」

 

ただ、静岡にある不登校解決相談所では、このように考えています。

 

「子供の『みんなと普通に学校に通いたい！』という気持ちを実現させてあげたい！」
「子供の『登校しなきゃいけないのは分かってる！でも・・・・。』という気持ちを支援してあげたい！」

 

きつい言い方からもしれませんが、私はこの言葉を使った先生方やカウンセラーさんたちに、このようにお聞きすることがあります。

 

「好きな授業に出ることができるようになった後はどうするんですか？」
「好きな授業に全部出て、残りが嫌いな授業だけになったときはどうするんですか？」

 

 

９．慣れれば嫌いな授業にもでるようになるの？

このようにおっしゃった先生がいます。

 

「授業に慣れてくれば、他の授業にも出るようになるよ！」

 

実際、「授業に慣れ」て他の教科にも出るようになったお子さんもいらっしゃいます。

 

ただ、「好きな授業」に慣れても、嫌いな授業にでない子も沢山います。

 

それならば、どのような言葉をかければいいのでしょう？

 

「好きな授業だけでいいから受けてみよう！」

 

この言葉は使わない方がいいのでしょうか？

 

 

10．少し先の未来についても話し合う

そんなことはありません。

 

ただ、この言葉を使うときには「少し先の未来」について、不登校で悩むお子さんやお母さん、先生が一緒に考えればいいのです。

 

「まずは好きな教科にでられるといいね！」
「それができるようになったら、次はどうする？」
「クラスのみんなはどう思うだろう？」
「そう思われないように先生ができることは何だろ？」
「お母さんは、どのように声をかければいい？」

 

 

11．個人の心理、人間の心理、集団の心理

不登校で悩んでいるお子さんの心理を考えれば、本人のペースでがんばることも大切です。

 

ただし、不登校で悩んでいるお子さんも人間です。

 

ついつい「楽（らく）」な方に流れてしまうこともあります。

 

その心理もしっかりと考えなければなりません。

 

また、日本の学校は様々なことを集団で行います。これは変えることはできません。

 

それなら、個人の心理だけでなく、集団の心理を考えることも大切です。

 

「好きな授業だけでいいから受けてみよう！」

 

この言葉はとても良い言葉です。ただ、この言葉を使う前には必ず「先を見通した事前支援」の計画を立てておくことをおすすめします。

 

一緒にお子さんの不登校を解決していきましょう！

 

 

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