不登校で就職はできるの？ひきこもりにならない？不登校の将来は大丈夫？②

ネットや本、新聞には成功記事ばかりだけど・・・・

 

 

１．不登校でも好きな職業に就ける？
２．大学や就職で不登校（不出社）になってしまいました・・・・
３．普通の学校から東大合格や社長の方が圧倒的に多い！
４．不登校の経験は自分の財産になる？
５．不登校から高認合格→大学へ！不登校の成功例？
６．ニート、留年を繰り返し２９歳で大学４年生に？
７．何歳になってからでもやり直せる？
８．成功事例を読んで安心してしまう不登校の親

 

 

１．不登校でも好きな職業に就ける？

先日、下記のような内容のネットニュースを読ませていただきました。

 

「不登校の就職に関して言えば、ありとあらゆる職業になることができます。」
「大工、会社員、消防士、学校の先生、弁護士、タレントなど。」
「不登校から東大に合格して、大手銀行勤務に勤務した子もいます。」

 

この記事のように、不登校から様々な職業に就職したお子さんたちは、それを実現するために、かなりの努力をしたと推察できます。

 

特に消防士や教師、弁護士などの職業に就くには、資格試験や就職試験をパスしなければなりません。

 

それらの試験は、簡単にパスできるものではありません。

 

当然、その職業に就職した不登校のお子さんたちが、かなりの努力をしたことがうかがえます。

 

このように就職できた不登校のお子さんをもつお母さん方は、こう思った事でしょう。

 

「就職できて良かった！」
「不登校でもガンバれば就職できる！」

 
 

２．大学や就職で不登校（不出社）になってしまいました・・・・

「不登校でも、ありとあらゆる職業に就ける。」

 

この言葉は、本当に正しいのでしょうか？

 

静岡にある不登校解決相談所には、毎年、１０００件以上の相談が寄せられます。

 

「不登校」という言葉が認知され、通信制高校などが増えた昨今は、相談対象の年齢がどんどん上がってきています。

 

５年前は小学生や中学生の相談が八割を超えていました。

 

しかし、現在は高校生の相談が最も多く、次いで中学生の相談が多くなっています。

 

年に数件ですが、大学生や専門学校生、就職した子どもの相談もいただくようになりました。

 

相談をいただいたお母さん方の話を聞くと、皆さんこのように仰います。

 

「就職活動が上手くいかず、大学で不登校になってしまいました。」
「知り合いの会社に就職させてもらったのですが、一日で会社を辞めてしまいました。」

 
 

３．普通の学校から東大合格や社長の方が圧倒的に多い！

このような記事がネットや本、新聞に書かれることがあります。

 

「不登校だったけど、東大に合格した！」
「学校には行っていなかったけど社長になりました！」
「不登校期間に考えたことを映画にしたら、大ヒットしました！」

 

これらの記事を見るたびに、私はこのように思います。

 

「普通に学校に行って、東大に受かった子のが多いよ！」
「不登校にならずに社長をやってる人はたくさんいるよ！」
「学校に行きながら、映画や舞台の監督になっている人はもっといる！」

 

今から３０年ほど前に、テレビで下記のようなニュースが流れました。

 

「東大を卒業した人がフリーターをしている！」

 

このニュースを見た不良の子どもたちが、このように言いました。

 

「勉強なんて意味は無い！」
「東大に行ったってフリーターにしかなれない！」
「だから、勉強はしなくていい！」

 
 

４．不登校の経験は自分の財産になる？

「不登校の経験はいつか自分の財産になる。」

 

このように仰る不登校経験者がいます。

 

ただ、このように仰る方たちには、このような共通点があります。

 

「社会的に成功している人たちである。」
「自分の稼ぎで生きている人たちである。」

 

実際、静岡にある不登校解決相談所の支援により、不登校が解決して有名大学に合格した子たちがこのように言っていました。

 

「不登校を経験したから今の大学に合格した！」
「不登校になったから、『負けてたまるか！』と思えて勉強できた！」

 

しかし、私はその子たちにこのように言っています。

 

「違うよ！」
「合格できたのは○○さんがガンバったからだよ！」
「不登校でなくても、○○さんは合格できたよ！」

 

ある子はこのように言ってくれました。

 

「不登校になったから、先生（私）に会えたんだよ！」
「だからガンバレたんだよ！」

 
 

５．不登校から高認合格→大学へ！不登校の成功例？

昨年、大学生の子どもをもつお母さんから、このような相談をいただきました。

 

「大学生の息子が不登校に戻ってしまいました。」
「どうしたらいいでしょうか？」

 

お子さんの話を聞くとこのような状態でした。

 

「中学生のときに不登校となる。」
「通信制高校に進学するが、３ヶ月でやめてしまう。」
「その後、高卒認定試験を受け資格を取る。」
「大学に進学する。」

 

ここまで聞くと、不登校の成功例のようにも感じます。

 

しかし、詳しく聞くと成功例でないことが分かってきました。

 
 

６．ニート、留年を繰り返し２９歳で大学４年生に？

このお子さんが大学で不登校になったポイントは年齢です。

 

通信制高校をやめた後、このお子さんが高卒認定試験に合格するまでに「５年」の月日が流れています。

 

もちろん、５年の間に「仕事」をしたり、「学校」に行ったりはしていません。

 

完全「ニート」状態だったそうです。

 

高卒認定試験に合格した後、大学に合格するまで３年かかっています。

 

そのときの、お子さんの年齢は２３歳です。

 

その後、大学でも留年を３回経験します。

 

そして、このお子さんが大学４年生になったのが２９歳の時です。

 
 

７．何歳になってからでもやり直せる？

大学も有名大学ではなかったため、当然、就職活動は上手くいきません。

 

思ったように就職が決まらず、内定をもらえない日々が続き、このお子さんはこのように言ったそうです。

 

「もう就職はしない！」
「大学もやめる！」
「ニートに戻る！」

 

お母さんは、過去にお世話になったカウンセラーさんに相談をしたそうです。

 

すると、カウンセラーさんから、このように言われます。

 

「お子さんの心は疲れてしまったんです！」
「心のエネルギーがたまるまで待ちましょう！」
「何歳になって、もやり直すことはできます！」

 
 

８．成功事例を読んで安心してしまう不登校の親

ネットや本、新聞には「不登校でも成功できた！」という記事が多く見受けられます。

 

ただ、これらの記事を鵜呑みにして、「不登校でも成功する！」「不登校でも大丈夫！」と思わないでいただきたいと思います。

 

なぜ、ネットや本、新聞には「成功した」という記事が多いのでしょうか？

 

それは、下記のような理由があるからです。

 

「成功するのは珍しいことだから。」
「不登校で悩む親や子どもが、成功事例を読みたいと思うから。」
「成功事例を読むことで、安心したいと思う心があるから。」

 

もちろん、あなたのお子さんは、不登校から成功するかもしれません。

 

ただ、不登校の状態から抜け出せず、「ひきこもり」になってしまっている子どもや、不登校だったことを「後悔」している子どももたくさんいます。

 

あなたのお子さんが、後悔しないように、上手に支援をして下さいね！

 

 

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